あ と が き

 

 

 平成元年度に入るとすぐさま,「徳島県博物館三十年史」の刊行について館内で協議を開始した。もっとも,前年度からすでにこの刊行計画があって,吉岡のもとでその準備がすすめられていた。
 何度か職員全員が集まって刊行計画を協議したが,最終的にまとまったのが,平成元年5月19日であった。体裁,内容,執筆者,頁数など綿密な計画が立てられ,ちょうど開館から30年目にあたる平成元年12月10日に間に合わせようということになった。
 早速,回顧文集に執筆をお願いする関係者各位に依頼の文書をつくり,発送した。館員も割り当てられた頁数を,原稿〆切の8月10日までに稿了しようと懸命に努力した。
 しかし,結果は,刊行予定日をはるかに過ぎ去った今,やっと本書を印刷所に手渡すはめになった,ひとえに,編集にたずさわった吉岡・天羽の怠慢にほかならない。深くお詫びを申し上げる次第である。
 言い訳のようであるが,この平成元年度ほど1年間厳しかった年は,過去30年間なかったといっても先輩諸氏にお叱りをうけることはないと思う。新館移転のための資料の確認,返却,整理のほか,展示ケースなど備品類の処理,また新館開設のための諸準備,とりわけ展示準備には形容のしがたい苦労があった。
 こうしたなか,この30年史はまとめられたが,一冊にまとめてみると,やはり30年の歴史はずしりと重い。数々の地道な努力が,本書に秘められている。本書が,文化の森の新館の礎になることを願って,編者の言葉としたい。
 最後に,玉稿をお寄せいただいた各氏に心からお礼を申し上げる次第である。

 

平成2年3月

(吉岡 良知・天羽 利夫)


徳島県博物館三十年史

平成2年3月25日 印刷
平成2年3月31日 発行

 

    編集・発行 徳 島 県 博 物 館
           徳島市新町橋2丁目20番地
     
印 刷 所 原田印刷出版株式会社
             徳島市西大工町4丁目

 


徳島県博物館30年史もくじ