博物館を有効に活用する利用者が増えるよう、博物館活動に関する様々な情報を発信していくことは博物館にとって非常に重要な活動である。最近はインターネットによる情報発信も重要な手段になっている。 1.博物館の広報活動 博物館ニュース・企画展ポスター・年間催し物案内リーフレット・月間催し物案内等の定期的発行と配布、県庁だよりへの掲載、県庁記者クラブを通じての資料提供、催し物案内の電子メールサービス等により、博物館の事業の広報活動を行っている。 ●企画展の新聞広告 2.テレビ・ラジオへの出演等 博物館事業のPR等のためのテレビ・ラジオへの出演等を、月日・出演者・内容の順に記す。 5月31日 佐藤陽一 四国放送テレビ「530フォーカス徳島」(今切川で目撃されたエイについて) 3.インターネットによる情報提供 (1)電子メール 4.外部ネットワークとの連携 当館では,文部省の補助事業の一つとして、平成12年度および13年度に環瀬戸内自然史系博物館ネットワーク推進事業に参加し、博物館の横断検索やいきものマップなどの外部とのネットワーク連携事業を行ってきた。 5.情報システムの更改 平成17年度は4期目となるCOMET(徳島県文化・学習情報システム)のコンピュータシステム更改が行われ、それに伴う博物館システムの更改作業を行った。
博物館の事業の広報に留まらず、様々なメディアを通じて積極的に情報を発信するよう努めている。
●博物館ニュース、ポスター等の主な県内定期発送先
小学校 236ケ所
中学校 93
高等学校・その他学校 54
学会・研究所・同好会等 102
県および県教育委員会各課・機関 62
市町村教育委員会 24
公民館・隣保館 226
市町村および大学図書館 32
博物館施設 441
宿泊施設 38
報道関係機関等 77
●催し物案内の電子メールサービス
登録者 (18年3月末現在の登録者251名)
●報道機関への資料提供
17年度は次のような資料提供を行った(各月の催し物あんない以外)。
4月1日 平成16年度3月期の購入資料について
4月15日 思い出のランドマーク』写真募集について
4月6日 部門展示「徳島城下町」の開催について
4月22日 「県立博物館子どもの日フェスティバル」の開催について
6月1日 部門展示「阿波忌部の世界」の開催について
7月5日 企画展「絶滅?生きものはなぜ滅びるのか?」の開催について
7月8日 移動展示「写真に撮られた出羽島のくらし?写真民俗誌の試み」の開催について
8月2日 部門展示「旅行みやげ?土鈴・郷土玩具」の開催について
8月26日 平成17年度文化庁芸術拠点形成事業「元気な博物館づくりプロジェクト?親しまれる博物館を目指す評価手法の開発?」の実施について
8月19日 「昆虫パラタクソノミスト養成講座(初級)の開催について
9月16日 「博物館Vキング」─ボランティアスタッフが贈る秋の博物館まつり─の開催について
10月6日 企画展「ふるさと再発見?15の人・もの・場所?」の開催について
10月11日 部門展示「博物館の誕生」の開催について
10月31日 文化の日フェスティバル「博物館Vキング」の開催について
12月6日 特別陳列「トクシマ・木工芸の道具と技」の開催について
1月18日 特別陳列「失われた交通路 吉野川の渡し」の開催について
2月15日 シンポジウム「博物館と地域のこれからを考える」の開催について
3月3日 トピック展示「朱の精製の広がり?若杉山遺跡とその周辺?」の開催について
企画展の広報として、徳島新聞に広告を出した。(各1回)
●文化の森橋への懸垂幕の設置
企画展の広報として、県に都市公園占用許可申請をして、企画展の期間中、文化の森橋に懸垂幕を設置した。
6月3日 小川 誠 四国放送テレビ「おはようとくしま」(吉野川で見つかった帰化植物メリケントキンソウについて)
6月12日 魚島純一 四国放送ラジオ出演「サンデーウエーブ」(トピック展示「きみは万博を見たか?」の紹介)
8月18日 佐藤陽一 四国放送テレビ「朝630」(企画展「絶滅」の紹介)
8月21日 魚島純一 ケーブルテレビ徳島 「フレッシュ情報局」(普及行事『火おこし』)
8月21日 魚島純一 四国放送テレビ 「530フォーカス徳島」(普及行事『火おこし』)
11月10日 小川 誠 NHKラジオ「おはようとくしま」(勝浦川のフジバカマについて)
12月22日 佐藤陽一 四国放送テレビ「530フォーカス徳島」(2006年度 ナカちゃんはどうなるのかの予想)
3月14日 佐藤陽一 四国放送テレビ「530フォーカス徳島」(徳島県版レッドデータブック絶滅危惧種スナヤツメについて
希望者には電子メール(以下メール)による催し物案内を毎月行っている(18年3月末現在の登録者251名)。
また、ホームページ等を見た人からの質問もメールで寄せられており、各担当より回答を行っている。平成17年度には記録されたものだけでも44件の問い合わせが寄せられている。
(2)ホームページ
インターネット利用者の増加に伴い、博物館でもその技術を活用した情報提供の可能性を探ってきた。平成11(1999)年7月よりホームページhttp://www. museum.comet.go.jp/ を開設した。トップページ(図1)のアクセス数の累計および1日あたりのアクセス数は図2のとおりである。どちらも順調に増加しており、平成17年度1年間でトップページに約35,600件のアクセスがあり、前年の9%増となっている。
ホームページの内容は下記のとおりである。
・博物館の紹介(開館日・交通案内など)
・展示案内(企画展、常設展)
・催し物、普及行事の案内
・調査研究活動の紹介
・収集保存活動(データベース)
・学校等への利用案内
・出版物(展示解説、研究報告、博物館ニュースなどの案内)
・関連活動紹介(友の会、博物館協議会など)
・学芸員関連のページ
・特別メニュー(子供向けメニュー、映像コーナーなど)
ホームページには内容の全文検索やサイトマップを設置し、閲覧者が目的の内容にたどり着きやすくしている。全文検索についてはシソーラス(同義語)辞書を用いて、たとえば、「やまざくら」、「山桜」、「ヤマザクラ」などの言葉で、検索しても検索できるようにしている。
データベースによる検索では、資料データベースでは人文、動物、植物、地学の各分野ごとに収蔵資料を検索でき、資料の写真や動植物の分布図などが表示できる。また、当館に収蔵している図書についても、図書デ−タベ−スを公開している。情報提供する項目のテキストデータおよび画像情報を専用フォルダーに入れておけば、夜のうちに自動的に情報提供用のデ−タベ−スに取り込まれる仕組みになっている。
ホームページの更新や追加は毎月の催しもの案内のように定期的に行うもののほか、各担当により随時行っている、平成17年度の追加内容については下記のとおりである。
・「イベント企画運営スタッフの活動」として、今年度行ったボランティアによるイベント企画の様子を掲載した。
・ブロードバンドに対応した高精度画像の試みとしてブラウザ上で画像の拡大縮小が任意にできるツールを利用し、植物写真や標本画像を公開した。
平成17年度は国立科学博物館が行っている自然系博物館における収蔵品データ整備事業に参加し、さらなる連携を深めた。事業の内容は全国の科学系博物館のホームページの内容の横断検索で、サイエンスミュージアムネット(http://science-net.kahaku.go.jp/)で160館以上のホームページを一度に検索することができる。また、収蔵品データの検索も準備されており、当館からは赤澤時之維管束植物コレクションと徳島県産淡水魚類コレクションのデータを整備し提供した。日本語の検索およびGBIF(Global Biodiversity Information Facility:地球規模生物多様性情報機構 )のデータとしても横断検索できる予定である。
(1)システムの構成
博物館のコンピュータシステムは、職員が日常的に使う業務用、来館者や館外者が利用する情報提供用の2つに大別できる。博物館システムの更改については次のような方針で望んだ。
・博物館の業務システムは基本的に現状をベースに改良を加える。
・情報提供はインターネットを用い,ブロードバンド(大容量通信)や携帯電話等の新しい通信手段に対応する。
その結果、次のような構成で4期システムを運用することになった。
a)業務用システム
業務用システムでは、コンピュータ室・研究室・作業室・収蔵庫・事務室等をイーサーネット(1000BaseT)のLANでつないだ.ファイルサーバ(MacOSXサーバ)とデータベースサーバ(FileMaker Server 8)の2台のサーバを設置した.サーバのデ−タは、21世紀館に常駐するSEによって毎日バックアップがとられている。職員1人に1台の端末を配置し,デ−タベ−スやファイルを共有している。これらの端末は、作業の内容に応じた仕様となっており、たとえば収蔵庫では常設の端末ではなくノート型パソコンを活用している。
b)情報提供用システム
情報提供用としては、Linuxサーバを用いて,WWWサーバと資料データベースを構築した。また、文化の森で共通で使用する全文検索用サーバを1台設置した。さらに、柔軟なデータベース公開ができるようにMacOS XサーバとFileMaker Server 8 Advanced によるWebデータベースを構築した。インターネットの回線が徳島県教育総合センターに集約されたために、これらの情報提供用サーバを2組用意し,館内用は文化の森のコンピュータ室に、外部(インターネット)用は教育総合センターに設置し、館内用サーバから自動的にデータが更新される仕組みを用意した(図3)。
(2)新システムの運用とデータの移行
新システムは2006年3月27日から運用が開始された.ドメイン名がcomet.go.jpからtokushima-ec.ed.jpに変更になり,ホームページのアドレスはhttp://www. museum.comet.go.jp/からhttp://www.museum.tokushima-ec.ed.jp/に変更になった.あわせて職員のメールアドレスも変更になった.このため,ホームページのメールアドレスやリンクの書き換えが必要となった.
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