まとめ

 花の内部の構造

 ナツノタムラソウでは,花糸(かし)と葯隔(やくかく)がほぼ同じ太さで,退化した葯と退化していない葯をむすぶ葯隔が花糸の付け根でシーソーのようにバランスをとっているので,葯が花の中央に突き出る.一方,アキノタムラソウでは花糸が退化していない葯をむすぶ葯隔と同じ太さで,一直線につながったようになっており,葯は雌ずい(雌しべ)にそって花の上部に出る.その後,花が咲き終わるにつれ葯隔は外側に向かって曲がる.この関係を把握していれば,ナツノタムラソウとアキノタムラソウを取り違えることはないだろう.

 ということで,剣山のものを含めて徳島県産のものを調べてみると,ナツノタムラソウは無く,アキノタムラソウであった.

 

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