ホテイアオイの謎

ホテイアオイは外国からやってきた植物ですが,最近増えすぎて困っています.流れのゆるやかな川であれば群生し,そのままほっておくと腐って水質の悪化や船の航行に支障を来すので,徳島県でもたくさんのお金を投資して駆除しています.

実はホテイアオイは日本では種子ができません.冬には寒さにあたって枯れているように見えますので,翌年にはなくなってしまうはずなのですが,次の年にはしっかり増えてしまっています.

ではどのように冬越ししているのでしょうか?

博物館でメダカの水槽用に育てているホテイアオイですが,屋外に置いてありますので,ほとんどのホテイアオイが枯れてしまっています.

2003年4月9日撮影

全体が茶色になって完全に枯れてしまっています.こういう状態だと芽は出ません.

ところが,いくつかの株は真ん中あたりが緑色になっています.

中には数枚の葉が開いているものがありました.周囲は枯れても中心の芽の部分が残っているのでしょう.

このように冬の低温にさらされても生き残る株があり,それから翌春に芽が出て,急速に増えていってしまい,水面を覆ってしまうほどになります.

 


このページに関するお問い合わせは作成者:小川 誠(徳島県立博物館)

 

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