阿波志(テキストデータ版)
●『阿波志』は、徳島藩儒の佐野山陰(憲)が寛政4年(1792)に藩命を受けて編纂に着手し、文化12年(1815)に完成した藩撰地誌である。佐野は、自ら国内を調査したほか、各村・浦・町の役人に命じて、沿革や田畑、租税、戸口、寺社、古跡等多岐にわたる項目の調査や資料の提出をさせ、それらをもとにまとめた。 全12巻からなり、巻1は総説、巻2は徳島城下、巻3以下は郡別の地誌となっている。各巻ごとに、土地関係の情報、寺社、史跡、人物など、広範な内容をもつが、古文書等の原文の引用はなく、記述は簡略である。
 諸本があるが、徳島県指定有形文化財である「蜂須賀文庫」印をともなっているもの(徳島市立徳島城博物館蔵)や、「阿波国文庫」印がある国立国会図書館所蔵のもの(国会図書館の電子図書館サービスにより画像データを閲覧できる http://dl.ndl.go.jp/#classic)が主たるものである。一般には、笠井藍水による読み下しが施された刊本の『阿波誌』が用いられることが多いが、編成が改められていたり、誤字等もあったりするため、使用には注意を要する。
●ここに掲載したデータは、蜂須賀文庫本の影印本(中世城郭研究者として著名だった故本田昇氏が旧蔵者のもとで撮影したもの)をもとにコンピュータ入力したテキスト情報である。入力に際しては、『阿波誌』等を参照した。
●データ化にあたり、文字は可能な限り原本に従った。しかし、漢和辞典等に確認できない文字や異体字が多いため、完全なデータ化を果たせたものではない。原文どおりの漢字が入力できない場合、■とした。部首などに分解して示せる場合は、( )で括って示した。改行箇所は/で示した。また、割書の箇所は[ ]で括って区別した。
●原本にある序文や凡例、図等は割愛した。
●校正が十分ではないため、誤読・誤入力がある。また、文字化けその他不都合が生じていると思われる。検索の手がかりとしては使用できると判断し、全データを公開する。細部の情報が必要な場合は、必ず原本との対校をお願いするとともに、誤りをご教示いただければ幸いである。
●データ作成作業は、徳島県立博物館において2007~2009年度の間、取り組んだものである。この間に在職した臨時補助員や文化推進員の手を煩わせた。 
 ■阿波志フルテキスト (ZIPファイル) (496KB)
 
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