ラプラタ記念ホール
徳島県では1985年以来,アルゼンチン共和国のラプラタ国立大学と博物館資料の交換などの文化交流を進めています.ここに展示されている南アメリカの古脊椎動物標本は,ラプラタ大学附属自然料学博物館から寄贈されたものです.
南アメリカの古生物たち
南アメリカ大陸は,ゴンドワナ大陸が分裂した中生代白亜紀(はくあき)末(約7000万年前)以降,長いあいだ他の大陸とは切り離された状態がつづいた.そのため,動物たちは独自の進化の道をたどり,多くの巨大な,また,変わった形の動物たちが生まれた.
第三紀鮮新世(せんしんせい)の中ころ(約350万年前)になると,パナマ陸橋ができ,南・北アメリカ大陸が陸つづきになった.そして北アメリカから,いろいろな動物が渡ってきた.逆に,南から北へ渡った動物もいた.
南アメリカ独自の動物たちは,北から侵入してきた動物と競争し,やがて衰退(すいたい)していった.大型動物の多くが約1万年前にいっせいに姿を消してしまったのは,人類による狩りすぎが原因であるともいわれている.
●メガテリウム全身骨格 〔複製〕
アルゼンチン・ブエノスアイレス州
更新世後期
第四紀更新世(約200万年前〜1万年前)に南アメリカ大陸で栄えたオオナマケモノのなかま(貧歯目〔ひんしもく〕).このなかまには,北アメリカまで分布をひろげたものもある.
現生のナマケモノは樹上で生活するが,オオナマケモノは夜行性の地上生活者だった.動作はのろく,4つ足で歩くほか,後肢(あし)と太い尾で立ち上がり,木の枝や葉を食べていたと考えられている.
●パノクツス全身骨格,甲羅
更新世後期
更新世に南アメリカ大陸にすんでいた,体長3.7mもある巨大なアルマジロのなかま(貧歯目〔ひんしもく〕グリプトドン料).体は大きな甲羅(こうら)ですっぽり包まれていた.甲羅は,四角形から六角形の骨板がよせ集まってできており,表面には多数の丸いイボがならんでいた.尾の根本は7つのリングから構成され,尾にはトゲ状の突起があった.
性格はおとなしく,旧石器時代人類のかっこうの獲物だったらしい.約1万年前に絶滅した.
●パノクツス復元模型
化石資料をもとに,日本で製作したもの.実物大.
●スクレロカリプツス頭骨,甲羅,尾骨
更新世
パノクツスと同じ,貧歯目(ひんしもく)グリプトドン村のケモノ.体長約2mで,パノクツスより小型で細長く,体は筒状の甲羅(こうら)でおおわれていた.現生のアルマジロとちがって,グリプトドン料のなかまの甲羅には節構造がなく,甲羅をたたんで体を丸めたりすることはできなかった.
パノクツスと同様に,約1万年前に絶滅した.
●エクサエロトドン頭蓋骨
三畳紀中期
ペルム紀から三畳紀に栄えた哺乳類型爬虫類は,体つきだけでなく,頭骨の構造や歯の形など,多くの点で哺乳類に似た特徴をもっていた.
エクサエロトドンは,三畳紀中期(約2億4000万年前)に南アメリカおよびアフリカ大陸にすんでいた哺乳類型爬虫類のなかまである.体長約2mで,大きな頭をもっていた.歯の形から,草食または雑食性だったと考えられている.
●チタノサウルス右大腿骨,脊椎骨,尾骨
白亜紀後期
チタノサウルスは,竜脚類(りゅうきゃくるい)のなかまの草食性恐竜.体長は7〜8mで,比較的小型だった.
※全身骨格(複製)が総合展示室に展示されています.
[常設展示ツアーのトップページ]
|