調 査 研 究 事 業

 調査研究は、博物館における諸活動の根底をなすものである。それは、質の高い調査研究に裏付けられてこそ、最新の情報を盛り込んだ展示や質の高いコレクションの収集、内容豊かな普及活動が可能となるからである。

 当館の調査研究事業には、複数の学芸員グループで、必要に応じては館外の研究者も含めて、特定のテーマを定めて年度単位で集中的に取り組む課題調査、各学芸員がそれぞれの分野や専門とするテーマに基づいて日常的に取り組んでいる個別調査研究、翌々年以降に予定されている企画展のための事前資料調査などがある。

 現在、館長を含む15名の学芸スタッフがこの業務に携わっている。

 

1.課題調査

 平成15年度は、次の3つの課題調査を行った。

(1) 牟岐大島・出羽島の自然と暮らし

 大島及び隣接する津島は海部郡牟岐町から約4kmの洋上にある無人島である。これらの島は,離島であることなどの関係からいずれも人工林をまったく見ないため県南の植生を知る上で貴重な存在となっている。また、出羽島は県内でも数少ない人が住む離島であり、早くから漁業を中心として開けた土地である。島内は宅地・耕地が多いものの,南面の大池には世界的に珍しいシラタマモが自生しているなど県内でも特筆に値する地域と言える。自然環境としては,牟岐町の多くは暖温帯植物区に入るものの,津島・大島・出羽島などではアコウをはじめとした亜熱帯植物の混成が目立ち、林床には様々な腐生植物が見られるなど特異な植物が分布していることも知られている。これらのことから、三島を中心とした牟岐町の周辺の島々を調査することで,県南部を特徴づける自然及び人文的データが多数得られると期待される。しかし、津島・牟岐大島・出羽島を含むその周辺の島々の自然や人文に関する調査は古いものしかなく、最近の現状はまったく不明と言える。そこで,徳島県立博物館として、この津島・牟岐大島・出羽島及びその周辺の島々について、2年間にわたりさまざまな分野での総合調査を行うこととした。

●調査メンバー
 博物館学芸員:大原賢二(昆虫)、小川 誠(植物)・茨木 靖(植物:調査主担者)、中尾賢一・辻野泰之(地学)、高島芳弘(考古)、長谷川賢二(歴史)、魚島純一(保存科学・考古)、磯本宏紀(民俗)
 館外調査員:木内和美(植物研究家・牟岐町文化財保護審議会委員)、佐治まゆみ(植物研究家)、吉田一夫(市場町職員)

●調査の概要および結果
 15年度は本調査の2年目として、次のような分担で伊島の自然とくらしを明らかにすることを目標に調査を行った。15年度の調査では14年度の調査でできなかった点を掘り下げ、特に植物では、シラヒゲムヨウラン、コウシュウウヤク、ネコノシタなどいくつかの貴重な植物が見いだされるなどの成果があった。
 大原賢二(分担:昆虫類の幼虫・成虫調査)
 小川 誠・茨木 靖(分担:植物相調査)
 中尾賢一・辻野泰之(分担:地質と貝類化石について)
 高島芳弘・魚島純一(分担:考古学的調査)
 長谷川賢二(分担:歴史的位置づけについて)
 磯本宏紀(分担:民俗風習について)

(2)徳島県の半翅類調査

 徳島県の昆虫相解明のために、外部の研究者にも参加してもらいながら、平成12年度からの2年計画でスタートさせたが、エゾゼミ類の調査を追加することにして15年度も継続した。夏季はセミ科のエゾゼミ類の追加調査を重点的に行った。また水生のグループ(異翅目の一部)についても、より詳細な調査が必要であると考え、秋から冬季の越冬中の調査を重点的に行うことにした。特に、9月初旬に鳴門市で、四国で初めての記録となるトガリアメンボが発見されたために、初冬までこの種の分布調査を行った。
 結果的にはエゾゼミの複数個体が得られ、トガリアメンボの分布調査も徳島県および香川県の広い範囲で生息が確認できた。

●調査メンバー
 博物館学芸員:大原賢二(動物)
 館外調査者:林 正美(埼玉大学教育学部)

●15年度調査の成果
[1]徳島県のエゾゼミ
 7月25〜29日に夏季のエゾゼミ類を中心とした調査を行った。26日に神山町から木沢村のスーパー林道周辺で調査。27日、28日に三好郡池田町雲辺寺山から、三好郡東祖谷山村腕山周辺、29日に脇町大滝山での調査を行った。雲辺寺山,大滝山でエゾゼミを採集・捕獲できた。
[2]徳島県の水生半翅類
 10月17〜19日、16年3月22〜24日の2回、林氏と共に調査を行った。9月以降は徳島市内の城山下の池,渋野町、鳴門市周辺のため池、阿南市新野町などのため池を中心にトガリアメンボの生息調査を行った。10月18日は愛媛県新居浜市、川之江市、香川県観音寺市周辺までトガリアメンボの分布調査を行った。
・9月以降はトガリアメンボが発見されたため、大原が中心になって徳島県及び香川県の多くのため池を調査し、本種の分布調査を中心に行った。愛媛県までは分布を拡大していないようであったが、我々の調査では徳島県では三好郡三野町、香川県では高松市から観音寺市の間くらいまで、夏以降に一気に分布を拡大したことが確認された。

(3)潜水漁業の現在とその環境利用

 本課題調査は、平成15・16年度の2カ年計画で進行中である。
 潜水漁は、徳島県においては県南地域で行われる採貝・採藻漁法の1つである。これに関連する歴史学的、民俗学的研究の蓄積は多い。徳島県域を中心にしてみた場合、旧阿部村の海女についての瀬川清子の昭和初期の記述、『阿波のいただきさん』として世に出された岡田一郎氏の研究。1980年代に行われた歳森茂氏による一連の漁具研究などがある。
 しかし、それ以降、最近の事例報告はあまりみない。民俗事象全般に変化が予想されるし、他地域では近年しばしば論じられる環境論からの報告はいまだ十分でないといってもよいだろう。加えて、近代における出稼ぎや移住など漁民相互の動きの中で、徳島県域は十分に位置づけられていない。
 したがって、漁具、漁法や漁村における民俗に顕れた潜水漁従事者の漁場空間への認識方法、資源管理方法、空間認識について、民俗学的アプローチにより調査を行った。この調査により、潜水漁に関する労働と環境利用の実態を明らかにすることを目的とした。

●調査メンバー
 博物館学芸員:磯本宏紀(民俗)
 館外調査員:小島孝夫(成城大学文芸学部)、高橋健一(日本民俗学会会員)

●調査日程と調査地
 5月17日〜18日:伊島・出羽島
 8月2日〜6日:出羽島
 9月13日〜15日:伊島
 11月1日〜2日:伊島

●調査概要および結果
 調査地を阿南市伊島、牟岐町出羽島として、次のような調査分担で調査を行い、調査地における環境利用の概要が明らかになった。
 小島孝夫:離島における農の役割
 高橋健一:交通・交易と生業
 磯本宏紀:潜水漁における漁場利用

 

2.分野別(個別)調査研究

大原賢二(動物・昆虫)
[1]日本産ハナアブ科の分類学的研究  
[2]徳島県のヒラズゲンセイの分布調査
 徳島県のヒラズゲンセイの分布調査を行った。15年度は新聞記事などによる分布記録として、穴吹町での発見があり、さらに一般の方からの電話連絡で、美馬郡脇町、板野郡上板町などでの発生も確認できた。徳島市内でも数カ所の発生地を調査できたが、インターネットでの県産標本の販売などが行われているとの苦情が寄せられたため、報道機関への情報提 供などは行わなかった。これまでに得られた産地情報から、県内のほとんどの市町村で発見されており、広く分布していることが伺われた。現時点で発見されていない標高の高い町村に分布しているかどうかが今後の調査目標となる。
[3]アサギマダラの移動調査
 アサギマダラの移動について、15年度も継続してマーキング等の調査を行った。マーキング調査への協力者も増えつつあり、15年度の秋の移動記録はきわめて多数得られ、特に徳島県から鹿児島県の薩摩半島南端、南西諸島の喜界島、沖縄県南大東島への長距離移動が確認された。
[4]マレーゼトラップによる県内の昆虫相の調査
 名古屋市の名城大学農学部昆虫学教室の山岸健三氏と共同で、15年度は、麻植郡川島町と阿波郡市場町に属する吉野川の中洲である善入寺島に2カ所(秋以降に1カ所追加)のマレーゼトラップを設置し、2〜4週間間隔で回収を行って、その付近の昆虫相の調査を行った。
 すでに約2万頭の標本が作成、科までの同定後、当館に納められており、今後の調査研究用資料として保管されている。

佐藤陽一(動物・脊椎動物)
[1]県内の淡水魚類相調査
 県下の淡水魚類相調査の一環として、鴨島町三谷川などで調査を行った。
[2]勝浦川に生息する魚類の生息環境に関する研究
 調査データ(1999〜2002年)に基づき、河床に沈積するFPOM(有機性微細粒子)が魚類に及ぼす影響を評価した。徳島大学工学部建設工学科との共同研究。
[3]徳島市国府町以西用水に生息する魚類の生息環境に関する研究
 徳島大学大学院工学研究科エコシステム専攻との共同研究。
[4]メダカとカダヤシの種間関係に関する研究
 徳島大学大学院工学研究科エコシステム専攻との共同研究。
[5]那賀川における回遊型カジカの保全に関する研究
 徳島大学工学部建設工学科との共同研究。

田辺 力(動物・無脊椎動物)
[1]県産無脊椎動物相の調査
 鳴門市にて海岸無脊椎動物相の調査を行った。
[2]ヤスデ類の進化生物学的及び分泌液成分に関する研究
 ババヤスデ属の属の交尾器形態および生殖隔離機構の進化要因についての研究を進めた。
[3]ヒメヨロイヤスデの防御用分泌液の化学組成に関する研究を行い、その結果を報告した(桑原保正氏らと共同)。

小川 誠(植物)
[1]美郷村の植物相調査
 平成15年度阿波学会の調査の一環として、美郷村の植物相調査を行った(木下 覚、木村晴夫氏らと共同)。
[2]ヨモギ属の分布調査
 日本産ヨモギ属の分化と分布の現状を探るため、大分県での分布調査を行った。
[3]絶滅危惧種の保全に関する調査研究
 絶滅危惧種のフジバカマについて、園瀬川の分布を調査し、工事により破壊された生育地の復元方法の検討を行った。
[4]溜池の植物相調査
 阿南市および徳島市など県内の溜池の植物相を調査した。

茨木 靖(植物)
[1]県産植物相の調査
 海部郡牟岐町大島および麻植郡美郷村奥野々山を中心に、徳島県の植物相の調査を行い、その成果を報告した(木内和美氏らと共同)。
[2]ススキ属の比較研究
 国内外の博物館、研究機関より世界各地のススキ属の標本を借用し、その異同、分布などに関しての調査を行い、その成果を報告した(大橋広好氏と共同)。

両角芳郎(地学)
[1]日本の上部白亜系の化石層序に関する研究
 阿讃山地の和泉層群から産出するノストセラス科アンモナイトの分類学的検討を行った。また、平成15年度に開催した企画展に関連し、殻口の形状や傷痕の修復痕、種内変異や二型などが観察できるアンモナイト標本の調査を行った。
[2]勝浦川流域下部白亜系産化石に関する研究
 羽ノ浦層から産出する頭足類化石の分類学的検討を行った。

中尾賢一(地学)
[1]浅海成鮮新統〜更新統の堆積環境と貝化石相の調査
 高知県と長崎県で堆積構造の観察と貝化石の採集を行った。高知県では、浮遊性巻貝化石の分類学的検討を行った(一部を三本健二氏と共同)。
[2]国会議事堂に使われた内装用石灰岩の調査
 国会議事堂の石材調査(東京都永田町)および露頭調査(阿南市および木沢村)、聞き取り調査(阿南市および岐阜県大垣市)を行った(石田啓祐氏らと共同)。
[3]鳴門海峡海底の貝化石の調査
 鳴門海峡の海底から底曳網にかかって得られる貝化石について、群集組成を調べ、年代測定を行った(鎌滝孝信氏らと共同)。

辻野泰之(地学)
[1]上部白亜系の軟体動物化石に関する研究
 バキュリテス類(異常巻きアンモナイト)の分類の検討を行った。特に阿讃山脈和泉層群と北海道蝦夷累層群から産出する個体について比較調査を行った。
[2]香川県さぬき市兼割に分布する和泉層群の岩相と動物化石についての調査
 当館にすでに所蔵されている同地域産動物化石を含めて、検討を行った。

高島芳弘(考古)
[1]石井町前山古墳群の報告書作成に向けた調査
  発掘調査時に作成した図面類の整理と20m前後の小さな前方後円墳の類例を調査した。
[2]ヒスイを使った古代のアクセサリーの所在調査
 糸魚川周辺のヒスイ原石や北陸方面から出土する大珠、勾玉などの所在調査を行った。
[3]企画展「縄文の美」資料調査
 青森、岩手、宮城を中心に亀ヶ岡文化関連の資料の所在調査を行った。
[4]牟岐大島採集の陶磁器類の調査
 主に幕末から明治にかけての陶磁器類の産地や製作技法について検討した。

魚島純一(保存科学・考古)
[1]県内出土銅鐸の調査
 特に昨年度課題調査を実施した星河内美田銅鐸の補足調査として、辰馬考古資料館が所蔵する星河内 美田銅鐸破片を調査し、当館が所蔵する破片と接合する同一個体の破片が含まれることを確認した。
[2]臭化メチル燻蒸に替わる燻蒸法の研究
 これまで続けてきた窒素を使った殺虫処理法の実用化のため、小型の窒素発生装置を使った中型資料までの殺虫処理の実験を行い、実用化のめどを得ることができた。今後はさらに大型資料への応用を検討する。
[3]展示室内等における害虫の生息調査
 これまで使用してきた燻蒸ガスの全廃を控えて、展示室内等での害虫の生息調査を実施し、どの時期にどの場所でどのような害虫が捕獲できるかを調査した。今後も継続して行い、害虫被害の防除に役立てる予定である。
[4]県産スギと珪藻土を用いた調湿ボード開発への協力
 県内企業等が開発中の調湿ボードについて、実際に博物館施設においてどのような利用が可能であるかについて助言を行った。また燻蒸が調湿効果に及ぼす影響を調べるための調査を共同で行った。
[5]外部依頼による調査、燻蒸処理等
・香川県埋蔵文化財調査センター、高知県埋蔵文化財センター、高松市教育委員会などの依頼を受け、出土文化財の蛍光X線分析による材質調査を行った。
・徳島大学埋蔵文化財調査室などの依頼を受け、出土文化財等の赤外線TVカメラでの調査を行った。
・県内市町村教育委員会、博物館施設などの文化財保管施設からの依頼を受け、古文書、民具などの燻蒸処理を実施した。

山川浩實(歴史)
[1]徳島城の石垣の築造年代に関する調査
 徳島城の石垣について、野面積み・打ち込み接ぎ・ 切り込み接ぎの3種類の石積み技法に分けて調査を行い、山城と平城との石垣について、3期にわたるおおまかな築造年代を確認した。
[2]徳島城の石垣の刻印に関する調査
 徳島城の正門にあたる大手門を中心に存在する文字や図形の刻印について、積み石の位置確認や刻印の分類を行った。さらに徳島城の刻印と、名古屋城・大坂城の刻印との比較検討を行った。
[3]名古屋城の石垣工事に関する調査 
 徳川幕府から名古屋城の石垣工事を命じられた蜂須賀家の工事箇所について、本丸・西の丸・御深井丸の3箇所を確認した。併せて、石垣工事に伴う蜂須賀家の刻紋調査を行った。

長谷川賢二(歴史)
[1]熊野信仰の伝播に関する調査
 熊野本宮関係の御師文書を通覧し、中世を通じた熊野信仰の地方伝播の様相把握を進めた。併せて、これまで未検討だった那賀川流域における熊野信仰についての史料調査に取り組み始めた。
[2]修験道当山派成立前史の再検討
 神山町勧善寺所蔵大般若経巻二〇八奥書の記載を手がかりに、修験道当山派の成立前史の見直しを試みた。今後も関連史料の調査を継続する。
[3]戦国軍記の研究
 阿波関係戦国軍記について、天正の法華騒動を中心とする三好長治に関する記述を取り上げ、そこに投影された価値観と背景を検討した。
[4]四国山地における歴史意識の展開に関する研究
 剣山周辺の南朝系文書や、祖谷山における平家伝説を手がかりに、山間地域の歴史意識の様相を検討した。

庄武憲子(民俗)
[1]アイヌ文化と徳島県の関わりについての資料調査
 アイヌ工芸品展の開催にあたって、アイヌ文化と徳島県の関わりを示す資料の調査を行った。
[2]神山町のくらしについての調査
 神山町史編纂にあたって、専門委員として神山町での暮らしぶりについて調査を行った。
[3]徳島県内の河童伝承についての考察
 徳島県内に伝わる河童伝承について聞き取り調査によって得た情報と文献に掲載されている情報をまとめ、分布図を作成。情報から読みとれる特徴についての考察をした。
[4]五月節供の猿幟についての情報収集
 県内の五月節供に見られる猿幟の風習についての情報収集を行った。

磯本宏紀(民俗)
[1]潜水漁及び漁村構造に関する研究
 県南部の漁村を中心に展開される潜水漁について、その環境利用、労働慣行、生業の複合性に関する調査を継続中である。漁村における生業選択の論理を探り、近代における移住や出稼ぎから生じた労働慣行について検討した。
[2]民俗誌の記述に関する研究
 主に昭和初期の民俗学確立期に書かれた民俗誌、民俗調査報告等を調査し、民俗の変化、民俗記述の変化を検討するための材料として整理した。また、時代性と記述法の変遷についても考察を進めている。
[3]ヨツゴに関する調査
 美郷村域において、傾斜地にある常畑で使用される鍬の一種であるヨツゴと、それを用いた労働について調査した。
[4]唐竿の地域差に関する調査
 東祖谷山村、木頭村の各教育委員会所蔵資料を中心として、唐竿の形態、材質、使用形態などの特質について調査した。また、これらのデータをもとに地域差についての検討も行った。なおこれらのデータは、県内を含む四国唐竿調査の一部をなすものであ る。

大橋俊雄(美術工芸)
[1]塗師藤重の研究
 藤重の作品を把握するため、各所蔵者、所蔵館の元で調査を行った。
[2]県下の赤羽刀等の研究
 特別陳列の準備と平行して、県下赤羽刀について調査を行い、あわせて刀装具関係の資料も探した。
[3]飯塚桃葉・谷田忠兵衛の研究
 徳島に縁の深いこれら漆工について、実態を解明するべく調査・研究を行った。
[4]県下所在美術品の調査
 県下個人の所蔵する美術品を調査した。 

  

3. 科学研究費補助金による研究

●基盤研究(B)一般(1):二次草地の保全に向けた施策立案のための学際的・保全生態学的研究(平成14〜16年度)
 研究代表者:鎌田磨人(徳島大学工学部助教授)
 当館の研究協力者:長谷川賢二、庄武憲子、磯本宏紀
●奨励研究:ミドリババヤスデ種複合体における生殖隔離機構の解明(平成15年度)
 研究代表者:田辺 力

  

4. 他機関との共同研究

●(社)土木学会四国支部受託研究の共同研究:「正木ダムに係わる河川環境総合調査」(平成10〜15年)
 研究代表者:岡部健士(徳島大学工学部教授)
 当館の共同研究員:佐藤陽一
●徳島大学地域貢献特別支援事業「学術標本・貴重資料データベース化事業」(平成15〜16年度)
 地域貢献特別支援事業は、徳島大学が自治体や地域的研究機関等と共同して行うもので、平成15〜16年度の2年間、10件の個別事業が実施される。学術標本・貴重資料データベース化事業については、総合科学部教官を中心に計画され、当館学芸員に対し参画要請があったので、今後の共同研究の契機としても意義深いものと考え、協力することにした。
 15年度は次のような取り組みを行った。
[1]博物館・資料館所蔵資料データベース化に向けての 検討(当館の協力者:両角芳郎、長谷川賢二、庄武憲子、磯本宏紀、辻野泰之)
[2]国会議事堂の徳島県産石材に関する調査(当館の協力者:中尾賢一)
[3]近世測量絵図の保存と展示に関する調査(当館の協力者:長谷川賢二)
●鳴門教育大学教育改善推進費プロジェクト「四国遍路八十八カ所の総合的研究」(平成15年度)
 研究代表者:大石雅章(鳴門教育大学教授)
 当館の研究分担者:長谷川賢二,庄武憲子、磯本宏紀

 

5. 研究成果の公表

(1)徳島県立博物館研究報告第14号
 2004年3月31日発行、B5判140ページ、1,200部
 (*は館外研究者)
辻野泰之:香川県さぬき市兼割に分布する上部白亜系 和泉層群の岩相と化石動物群.p.1-13.
三本健二*・中尾賢一:高知県の鮮新統唐ノ浜層群の浮遊性貝類.p. 15-25.
徳島県立博物館平成15年(2003)度課題調査「潜水漁の現在とその環境利用」の記録.p. 27.
高橋健一*:海の向こうから/海の向こうへ―徳島県出羽島聞き書き―.p. 29-45.
磯本宏紀:潜水漁をめぐる漁場空間・序説―伊島における水平的共同空間と垂直的個別空間.p. 47-56.
魚島純一:徳島県立博物館に新たに収蔵された徳島県内出土と伝えられる袈裟襷文銅鐸.p. 57-68.
大原賢二・林正美*:四国におけるトガリアメンボの発見とその分布状況.p. 69-83.
大原賢二:アサギマダラの移動に関する徳島県の記録(2002,2003年).p. 85-112.
井戸浩之*・吉田和人*:標識調査により確認された徳 島県の鳥類.p. 113-128.
清水孝昭*・薬師寺房憲*:愛媛県肱川に遡上したサケOncorhynchus keta. p. 129-132.
茨木靖・木内和美*・斎藤正*:徳島県から新たに発見された帰化植物3種:アレチキンギョソウ,ニセアゼガヤ,ホウキヌカキビ.p. 133-135.
小川誠・木下覺*・田淵武樹*:園瀬川流域(徳島県)におけるフジバカマの分布.p. 137-140.

(2)博物館ニュース "Culture Club" 欄記事
高島芳弘:辰砂の精製.No. 51, p. 2-3.
辻野泰之:生きた化石−オウムガイ−.No.52, p. 2-3.
佐藤陽一:川環境と魚−FPOMの影響−.No. 53, p. 2- 3.
庄武憲子: 正月のまつりかた.No.54, p. 2-3.

(3)当館刊行物以外への掲載(*印:館外研究者)
●査読付学術雑誌掲載論文
<動物>
Kuwahara*, Y., N. Mori*, M. Sakuma* and T. Tanabe (2003.12) (1Z)-and (1E)-2-Nitroethenylbenzenes, and 2- Nitorethyl-benzene as Natural Products in defence secretions of a millipede Thelodesmus armatus Miyosi (Polydesmida: Pyrgodesmidae). Japanese Journal of Environmental Entomology and Zoology, 14: 149-155.

<植物>
Funamoto*, T. and M. Ogawa (2003.12) A cytogeographical study in Hydrangea paniculata Sieb. (Saxifragaceae s.l.) in Japan. Chromosome Sience, 6: 73-82.
Ibaragi, Y. (2003.12) The taxonomy of Diandranthus(Poaceae). Acta Phytotaxonomica et Geobotanica, 54(2):109-125.
Ibaragi, Y. and H. Ohashi* (2004.2) A taxonomic study of Miscanthus section Kariyasua (Gramineae). Journal of Japanese Botany, 79 (1): 4-22.
茨木 靖・木内和美*・佐治まゆみ*・成田愛治* (2004.2)  シラヒゲムヨウラン(ラン科)の新北限産地. 植物地理・分類学研究, 51 (2): 187-188.

<地学>
Tsujino, Y., H. Naruse* and H. Maeda* (2003. 9) Estimation of allometric shell growth by fragmentary specimens of Baculites tanakae Matsumoto and Obata (a Late Cretaceous heteromorph ammonoid). Paleontological Research, 7(3): 245-255.

●一般著述(単行本・図書)
<動物>
大原賢二・荒川良*(2003.3)各地のアサギマダラ「四国」.宮武睦夫・福田晴夫・金沢至編「旅をする蝶 アサギマダラ」.むし社、東京.p.213-217.

<植物>
小川 誠(2003.12)矢原徹一 監修「ヤマケイ情報箱 レッドデ−タプランツ」. 山と渓谷社(分担執筆).
茨木 靖(2003.12)矢原徹一 監修「ヤマケイ情報箱 レッドデ−タプランツ」. 山と渓谷社(分担執筆).

<歴史>
長谷川賢二(2003.12)徳島県立博物館.解放出版社編「人権でめぐる博物館ガイド」,解放出版社:138-139.
長谷川賢二(2004.3)熊野信仰の広まり;先達とその活動;御師職の確立;熊野先達 と本山派.本宮町史編さん委員会編「本宮町史 通史編」,本宮町:190-212,254- 262.

<民俗>
庄武憲子(2003.4)『すまいとくらし』編集委員会編「阿 波の民俗3 すまいとくらし」,徳島市立図書館: 193-195,215,231-232,243-246,280-283,321-323.

●一般著述(逐次刊行物、その他)
<動物>
大原賢二(2003.10) 「2002年のマーク虫再捕獲記録一覧」.日本鱗翅学会・アサギマダラプロジェクト編「アサギマダラ年鑑,2002」p. 28-36.
佐藤陽一(2003.05) 魚博士の吉野川魚図鑑 連載第8回:オイカワ.四国三郎吉野川, 14:6.
佐藤陽一(2003.07)魚博士の吉野川魚図鑑 連載第9回:カマツカ.四国三郎吉野川, 15:10.
田代優秋*・上月康則*・佐藤陽一・大久保美知子*・山崎敬生*・村上仁士*(2003.09) 都市近郊農業水路における魚類相とその変動特性について. 土木学会 第58回年次学術講演会講演概要集CD-ROM:155-156.
山崎敬生*・上月康則*・佐藤陽一・田代優秋*・大久保美知子*・小島雄*(2003.10)カダヤシの攻撃による メダカの鰭の損傷.2003年度日本魚類学会年会講演要旨:70.
佐藤陽一・岡部健士(2003.10)河川性魚類の生息に及ぼすFPOMの影響.2003年度日本魚類学会年会講演要旨:74.
田代優秋*・上月康則*・佐藤陽一・大久保美知子*・山崎敬生*・村上仁士*(2003.10) 都市近郊に残された素堀水路内の魚類群集に関する調査.応用生態工学会第7回研究発表会講演集:43-46.
佐藤陽一・岡部健士*(2004.03)魚類調査.(社)土木学会編,ダム水環境改善事業調査・河川環境調査合併調査委託報告書:勝浦川 勝浦郡上勝町〜勝浦町No. 2,平成16年3月.(社)土木学会,東京:6-1〜13 .

<植物>
木下 覺*・植北ちず子*・小川 誠・片山泰雄*・木村 晴夫*・木内和美*・真鍋邦男*・水上敏夫*(2003.3)三野町の植物相.阿波学会紀要 第49号 三野町総合学術調査,阿波学会:25-36.
小川 誠(2003.12)学芸員の仕事に使えるデータベース.月刊ミュゼ ,(61):14-15.
小川 誠(2003.11)2003年度日本植物分類学会野外研修会実施報告.日本植物分類学会ニュースレター,(11):12-14.
茨木 靖・田渕武樹* (2003.12) 徳島県において外来種セイヨウウキガヤ Glyceria occidentalis (Piper) J. C. Nelsonを確認. 水草研究会誌, 79:25-26.
茨木 靖・岩佐春香 (2003.12)ホウガンヒルギ属種子の徳島県への漂着. 漂着物学会誌 1:33. 
茨木 靖 (2003.12) ススキとオギ.徳島の自然 64:7.

<地学>
両角芳郎(2004.3)開館10周年に当たって.松茂町歴史民俗資料館・人形浄瑠璃芝居資料館館報「歴史の里」(10):8.
両角芳郎(2003.10)アンモナイトのすべて−県立博物館企画展への招待(上)パラ プゾシア;(中)プラセンチセラス;(下)ニッポニテス.徳島新聞10月24日, 25日,27日夕刊.
橋本寿夫*・元山茂樹*・石田 啓祐*・寺戸恒夫*・森永 宏*・中尾賢一・森江孝志*・香西 武*・福島浩三*・川村教一*(2003.3)徳島県西部地域の和泉層群と中央構造線関連の地質・地形−三野町地域−.阿波学会紀要 第49号 佐那河内村総合学術調査,阿波学会:1-12.

<考古>
魚島純一(2004.3)高松市宗高坊城遺跡より出土した赤色顔料付着遺物の蛍光X線分析について.高松市埋蔵文化財調査報告書第68集「宗高坊城遺跡」,高松市教育委員会:42.
魚島純一(2004.3)高松市天満・宮西遺跡出土赤色顔料付着遺物の蛍光X線分析について.高松市埋蔵文化財調査報告書第69集「天満・宮西遺跡〜旧河道編〜」,高松市教育委員会:85-87.
魚島純一(2004.3)高松市東中筋遺跡出土赤色顔料付着遺物の蛍光X線分析について.高松市埋蔵文化財調査報告書第70集「東中筋遺跡」,高松市教育委員会:46-48.
魚島純一(2004.3)久本古墳出土赤色顔料付着陶棺の蛍光X線分析について.高松市埋蔵文化財調査報告書第71集「久本古墳」,高松市教育委員会:57.

<歴史>
長谷川賢二(2003.4-2004.3)阿波圏―連携する学芸員;合戦図とイラク戦争;牟岐大島を歩く;“鬼”の正体;田んぼのにおい;観心十界図に思う;博物館と人権;地名;模索する博物館;ふるさと;ゴジラ;厄年;コレクション.徳島新聞4月5日;5月3日;5月31 日;6月28日;7月26日;8月23日;9月20日;10月18日;11月15日;12月13日;1月10日;2月7日;3月6日朝刊.
長谷川賢二(2003.4)徳島県立博物館.部落解放,(517):116-117.
朝治武*・君塚仁彦*・長谷川賢二・山本哲也*(2003.4)座談会 博物館と人権.部落解放,(517):145-167.
長谷川賢二(2003.7)博物館を一〇〇倍楽しむ方法.解放教育,(427):62-64.
長谷川賢二(2004.2)最後の国学者小杉榲邨を考える―徳島地方史研究会・公開大会に寄せて―[下]阿波国 徴古雑抄.徳島新聞2月21日朝刊.
長谷川賢二(2004.2)阿波の巡礼とその資料.「四国遍路と世界の巡礼」編集委員会編「四国遍路と世界の巡 礼国内シンポジウム・プロシーディングズ」青葉図書:50-56.
長谷川賢二(2004.3)熊野信仰の広がり.国文学 解釈と鑑賞,(874):67-76.
長谷川賢二・岡島千代子*・松下師一*(2004.3)座談会 博物館と学校との連携―「総合的な学習の時間」の実践から考える―.松茂町歴史民俗資料館・人形浄瑠璃芝居資料館館報「歴史の里」,(10):3-17.
佐々木優*・佐藤信之*・澤田孝利*・高橋 啓*・長谷川賢二・平山義朗*・宮根 修*・森本喜代貴*・森本 嘉訓*・吉原明則*・和田敏孝*(2004.3)徳島県教育委員会編「徳島県同和地区民俗文化史調査報告書5」,徳島県教育委員会,77pp.

<民俗>
庄武憲子(2003.5)「今山の農村舞台」復活への活動.阿波農村舞台通信,(0),阿波農村舞台の会:4.
庄武憲子(2004.3)歴史家網野善彦先生をしのぶ.徳島新聞3月3日朝刊.
庄武憲子(2004.3)那賀川町の猿幟;新刊紹介 神山町成人大学編集部編『神山の民具』『神山の民具2』.徳島地域文化研究,(2),徳島地域文化研究会:168-169,189-190.
磯本宏紀(2004.3)山間地で使用されるからさお.徳島地域文化研究,(2),徳島地域文化研究会:110-121.
磯本宏紀(2004.3)環境と生業.福田アジオ編「小川島の民俗―群馬県利根郡月夜野町下津小川島―」,神奈川大学:26-34.
磯本宏紀(2004.3)「オガワジマクワ」という呼称.福田アジオ編「小川島の民俗―群馬県利根郡月夜野町下津小川島―」,神奈川大学:110-117.

(4)学会・研究会等での発表(*印:館外研究者)

大原賢二(2004. 2)アサギマダラの移動の記録、2003年の四国の記録と全体から見た特徴.日本鱗翅学会四 国支部第9回例会(新居浜市).
田代優秋*・上月康則*・佐藤陽一・大久保美知子*・山崎敬生*・村上仁士*(2003.09) 都市近郊農業水路における魚類相とその変動特性について. 土木学会 第58回年次学術講演会(徳島).
山崎敬生*・上月康則*・佐藤陽一・田代優秋*・大久保 美知子*・小島雄*(2003.10)カダヤシの攻撃によるメダカの鰭の損傷.2003年度日本魚類学会年会(京 都).
佐藤陽一・岡部健士(2003.10)河川性魚類の生息に及ぼすFPOMの影響.2003年度日本魚類学会年会(京都).
田代優秋*・上月康則*・佐藤陽一・大久保美知子*・山 崎敬生*・村上仁士*(2003.10) 都市近郊に残された素堀水路内の魚類群集に関する調査.応用生態工学会第7回研究発表会(北九州).
田代優秋*・上月康則*・佐藤陽一・山崎敬生*・大久保 美知子*・小島雄*・村上仁士*(2003.10)カダヤシによるメダカの鰭の損傷とその影響について.四国魚類研究会(日和佐).
田辺 力・曽田貞滋*(2003. 8)雌雄の利害の対立による急速な形態進化:ババヤスデ属の交尾器.日本進化学会福岡大会(福岡).
田辺 力(2003. 8)形態測定学夏の学校:見てわかる幾何学的形態測定学.日本進化学会福岡大会(福岡).
田辺 力・曽田貞滋*(2003. 10)雌雄の利害の対立による急速な形態進化:ババヤスデ属の交尾器.日本昆虫学会第63回大会(厚木).
小川 誠(2003.9)徳島県産植物に関する2〜3の新知見.四国植物研究会(香川県琴南町).
小川 誠(2004.3)徳島県立博物館の情報戦略.博物館ホームページ推進研究フォーラム研究集会(新潟県長岡市).
中尾賢一(2003. 9)下部更新統口之津層群加津佐層の堆積環境と貝化石群.日本地質学会第110年学術大会大会(静岡).
中尾賢一・鎌滝孝信*・藤原 治*・小野 守*(2004. 1)鳴門海峡北西部の海底から得られた最終氷期の貝化石.日本古生物学会第159回例会(熊本県御所浦町).
辻野泰之(2003. 8)異常巻アンモノイド:Baculites tanakaeの相対成長の推定.日本進化学会福岡大会(福岡).
高島芳弘(2004.1)石井町前山古墳群の調査成果.第9回中国四国前方後円墳研究会(徳島).
長谷川賢二(2003.11)阿波の巡礼とその資料.「四国遍路と世界の巡礼」研究集会(松山).
長谷川賢二(2003.12)四国山地の歴史・文化―歴史学からのアプローチに向けて―.第1回四国草原保全研究フォーラム(東祖谷山).
長谷川賢二(2003.12)修験道当山派形成の一前提―徳島県神山町勧善寺所蔵大般若経巻二〇八奥書の検討を中心に―.第43回四国中世史研究会(中村).
長谷川賢二(2004.1)小杉榲邨と『徴古雑抄』(大会準備報告).徳島地方史研究会例会(徳島).
長谷川賢二(2004.2)小杉榲邨と『徴古雑抄』.第27回徳島地方史研究会公開研究大会(徳島).
庄武憲子(2003. 4)徳島県の盆棚.徳島地域文化研究会例会(徳島).
庄武憲子(2003.5)鬼籠野の年棚.徳島民俗学会例会(徳島).
庄武憲子(2003.11)昭和30年代の神山町のマチ.徳島民俗学会例会(徳島).
磯本宏紀(2003.10)伊島・出羽島の民俗調査におけるいくつかの問題提起.徳島民俗学会例会(徳島).
磯本宏紀(2003.12)潜水漁と漁場認知―伊島の事例から―.徳島地域文化研究会例会(徳島).
大橋俊雄(2003.12)藤重と茶器繕い.漆工史学会総会 (大阪).

 

6.研究会・学会等の開催

●植物談話会
 開催日:平成14年4月〜15年3月までの毎月1回開催(土曜日の18:30から)
 会 場:博物館実習室
 参加者:毎回約15名

●徳島地域文化研究会総会・研究会
 開催日:4月29日(火)
 会 場:博物館講座室
 参加者:18名

●徳島地方史研究会総会
 開催日:5月11日(日)
 会 場:博物館講座室
 参加者:10名

●平成15年度鳴門史学会研究大会
 開催日:10月11日(土)
 会 場:博物館講座室
 参加者:25名

●平成15年度日本植物分類学会野外研修会
 開催日:11月8日(土)〜9(日)
 会 場:博物館講座室・日和佐町ほか
 参加者:31名

●第9回中国四国前方後円墳研究会
 開催日:1月24(土)・25日(日)
 会 場:二十一世紀館イベントホール
 参加者:140名

●第9回四国地区歴史系学芸員・アーキビスト交流集会
 開催日:3月7日(日)
 会 場:博物館講座室
 参加者:30名

 

7.科学研究費補助金の申請を行うことができる学術研究機関の指定

 当館では,平成9年に指定を受けようと文部省(当時)と協議を行ったことがあるが、その時は「博物館は社会教育機関であり、研究を主たる業務とする機関とは認めがたい」とのことで、申請を断念したことがある。
 その後、平成13年8月の「機関の指定に関する要項」の改正により指定の基準が緩和されたのを受け、滋賀県立琵琶湖博物館、北九州市立自然史・歴史博物館などいくつかの博物館が指定を受けた。当館でも平成14年夏にこうした新しい動きを知り、申請に向けて文部科学省との協議をはじめ、平成15年4月に申請書および添付書類をまとめて提出した。その後、2、3の訂正と追加資料を求められたが、6月に最終的に受理され、7月22日付けで科学研究費補助金取扱規程第2条第4号の規定による研究機関の指定を受けた。
 今後は、学芸員が優れた研究計画を立てて科学研究費補助金を申請し、それが採択されることをめざす努力が求められる。


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