資料の収集と保存は、博物館にとって最も基本的な機能である。当館では開館以来次の4つを基本方針として資料を収集している。 1.採集資料 ●動物 ●植物 ●地学 2.購入資料 ●地学 ●歴史 ●民俗 購入資料合計 411点 3.寄贈資料 ●動物(脊椎動物) ●動物(無脊椎動物) ●植物 ●地学 ●歴史 ●民俗 4.寄託資料(新規分のみ) ●民俗 ●美術工芸 5.資料の貸し出し 学校への資料の貸し出しは「学校教育支援事業」の項(p.27)に記載した。 ●動物 ●地学 ●考古 ●美術工芸 ●民俗 6.資料の交換 ●植物(受入数) 7.館蔵資料数 平成17年3月末日現在の分野別収蔵資料数は次表のとおり。 8.資料収集委員会 館長の諮問に応じて博物館における購入資料について審査する機関として、博物館資料収集委員会が設置されている。本委員会は、「美術品等取得基金による美術品等の取得要領」の規定に従って、1件200万円以上の購入資料について審査する。 9.文献資料の収集 文献資料から得られる情報は、調査研究にはもちろんのこと、展示や普及教育などの博物館活動全般にわたるレベルアップをはかる上で不可欠である。当館では、人文・自然史分野の専門書や学会誌のほか、徳島県を中心とした地方史誌類や普及教育用図書も収集している。また、内外の博物館等の研究報告・年報・展示解説書等も交換により収集している。 ●購入図書冊数(デ−タベ−ス登録数) ●購入雑誌 ●当館刊行物の定期発送先(平成17年3月末現在) 10.資料の燻蒸 収集した資料、貸し出し後返却された資料は、原則としてすべて収蔵庫への搬入、展示に先だって燻蒸を行う。 ●減圧燻蒸装置による燻蒸 ●常圧燻蒸庫での燻蒸 ●収蔵庫の全室密閉燻蒸
1)徳島の自然と人文に関する資料のすべてを収集の対象とする。
2)地域に根ざしたテーマを設定し,計画的かつ集中的な収集をする。
3)徳島の概要あるいは特性を把握するため,世界を対象とした比較資料の収集をめざす。
4)一次資料のみならず、すべての二次資料をも収集する。
資料の収集手段としては、採集・購入・寄贈・交換など様々な方法で行っている。学芸員自らが積極的に収集しているほか、最近では、県民や官公庁からの資料の寄贈も増えてきている。
収集した資料は、調査研究に役立てているだけでなく、展示や教育活動、他の博物館や研究者への貸し出しなどを通じて有効に活用している。
平成16年度も5名(人文2、自然3)の文化推進員・臨時補助員の補助を得て、資料の整理作業を進めた。
カワバタモロコほか徳島県産農業水路淡水魚 多数
勝浦川河口干潟産魚類 多数
カワラヒワ 1点
マムシ 1点
カムルチー 1点
島根県・岡山県産淡水魚類 多数
徳島県産農業水路淡水魚 多数
日本産多足類 多数
県内各地の標本 多数
大分県産ヒシの実化石 1点
県内および北海道産白亜紀動物化石 多数
高知県・長崎県産第三紀〜第四紀貝化石 多数
ドイツ産ジュラ紀ワニ化石(レプリカ) 1点
ハンガリーおよびマダガスカル産白亜紀アンモナイト 31点
レバノン産魚類化石 3
ドイツ・ゾルンホーヘン産カブトガニ化石およびその足跡 1点
ブラジル産白亜紀節足動物化石 24点
ドイツ・メッセル産コウモリ化石 1点
ドイツ・デボン紀三葉虫およびウミリンゴ化石 3点
ドイツ・ゾルンホーヘンおよびブンデンバッハ産化石 17点
レバノン産カブトガニおよびエビ類化石 2点
アメリカ・イリノイ州産動物化石 8点
植物化石 モレスネティア(裸子植物) 1点
大般若経巻五百二十一 1点
豊臣秀吉朱印状 1点
道中記 3点
阿波中古城記 1点
御当座和歌 1点
禁裏御会始 3点
徳島城鷲の門棟瓦 1点
阿州剱山谷右衛門錦絵相撲版画 1点
徳島府図 1点
徳島城下町錦絵版画 1点
万字紋釘隠 5点
本朝智仁英勇鑑・蜂須賀小六正勝錦絵版画 1点
徳島蒸気船火災の図錦絵版画 1点
徳島唐木仏壇彫刻型紙 298点
オオタカほか 多数 曽良寛武氏
カモメ 1点 吉田和人氏
ツグミ 1点 文化の森総合公園保安センター
肱川産魚類標本 多数 国土交通省大洲河川国道事務所
園瀬川・新町川水系魚類標本 多数 徳島県河川課
コバンザメ 1点 茨城県大洗水族館
タウナギ 1点 吉本千春氏
鴨島町寺谷池ほか徳島県産淡水魚標本 多数 徳島県土地改良事業団体連合会
タイマイ剥製 3点 寺井ヒサヱ氏
ゴクラクチョウ剥製ほか 多数 谷崎義人氏
ヒバカリ 1点 徳島県立21世紀館
福井川ほか徳島県産淡水魚類標本 多数 徳島県河川課
徳島県産農業水路魚類標本 6点 古川学氏
大津東部地区ほか徳島県産淡水魚類標本 多数 徳島県土地改良事業団体連合会
日和佐町産ゴンドウクジラ 1頭 日和佐町住民福祉課
ヨタカ・クロツグミ 2点 吉田和人氏
徳島県下農業水路全域調査淡水魚類標本 多数 徳島大学大学院工学研究科エコシステム専攻
東環状大橋モニタリング調査(カキ礁)魚類標本 多数 徳島県都市道路整備局
ヤマドリ 1点 白井啓二氏
ムササビ 1点 小川棋文氏
星河内谷川産魚類標本 多数 国土交通省徳島河川国道事務所
吉野川産チワラスボ 1点 徳島大学大学院工学研究科エコシステム専攻
フルマカモメ 1点 吉田和人氏
板野郡中部地区ほか徳島県産淡水魚類標本 多数 徳島県土地改良事業団体連合会
東環状大橋モニタリング調査魚類標本 多数 徳島県都市道路整備局
ヒクイナ 1点 橋本是徳氏
園瀬川産魚類標本 多数 国土交通省徳島河川国道事務所
トビ 1点 笠井 正氏
徳島市川内町ほか徳島県産淡水魚類標本 多数 徳島県土地改良事業団体連合会
シロハラ 1点 文化の森総合公園保安センター
トラツグミ 1点 文化の森総合公園保安センター
フクロウ 1点 三島中学校長 藤田憲夫氏
北島町産淡水無脊椎動物 31点 山本 寛氏ら
上板町六条地区産甲殻類 3点 小坂 剛氏
鳴門市大津町及び羽ノ浦町産淡水無脊椎動物 63点 森本友之・大山 謙氏
板野郡中部及び鳴門市大津町産淡水無脊椎動物 105点 森本友之氏他
相生町及び鴨島町産淡水無脊椎動物 386点 徳島県農林事務所・徳島県土地改良事業団連
徳島市八万町園瀬川産淡水無脊椎動物 6点 折野浩司氏
スナシバ 1点 黒沢高秀氏
徳島県産標本 84点 木下覚氏
インドネシア産種子 4点 西山保典氏
徳島県産イネ科標本ほか 3点 中村喜代治氏
徳之島産イネ科標本 1点 長谷川義人氏
沖縄産イネ科標本 5点 船越英伸氏
徳島県産標本 27点 佐治まゆみ・成田愛治氏
外国産アンモナイト化石ほか 15点 両角芳郎氏
高知県唐浜産貝化石ほか 34点 三本健二氏
ウミシダ化石 1点 川村政彦氏
生痕化石 1点 長谷寿氏
オウムガイ化石 1点 岩田博英氏
勝浦産シルル・デボン紀化石 15点 大地晴明氏
高知県三角貝化石 1点 高橋 節氏
島根県出雲産ホタテ化石 1点 内田賢治氏
三葉虫および魚化石 2点 大知道治氏
高知県産化石 118点 矢野秋子氏
勝浦産シルル紀サンゴ化石 4点 沖津 昇氏
勝浦産クロム鉄鉱 1点 沖津 昇氏
高知県唐浜産貝化石 3点 小松悦夫氏
東山鉱山絵はがき(コピー) 1点 井上真治氏
柄鏡 4点 中村顕也氏
サーベル 3点 真島利臣氏
軍刀 1点 須見矩明氏
板碑拓本 24点 竹條教悟氏
救命銃 1点 徳島市漁協組合
木工職人の道具一式 1,811点 大寺隆司氏
櫓ほか 8点 岡敬一氏
JRTビデオクラブ1周年記念作品DVD 1点 三木敬司氏
千歯こきほか 7点 宇山孝人氏
婚礼衣装丸帯ほか 3点 横山和子氏
出羽島漁業資料 4点 山村一豊氏
採貝用漁具 3点 矢倉勢一氏
採貝用漁具 2点 海司保夫氏
磯メガネ 2点 矢倉勢一氏
エビ獲り用漁具 6点 藤本登志夫氏
唐箕 1点 桃本ハルエ氏
祭礼用馬追い衣装ほか 5点 呉羽幸良氏
藍の種入れほか 3点 北原国男氏
奴凧ほか 2点 多喜田昌裕氏
馬鍬ほか 2点 川人計邑氏
8ミリビデオほか 2点 佐藤久子氏
女児産着ほか 2点 岡田修氏
フゴほか 4点 武市義治氏
角隠しほか1,188点 中村顕也氏
祭礼用馬具および衣装 48点 新居榮二氏
伊藤若冲筆 鶏図屏風 1点 自性寺
木造十一面観音菩薩立像ほか 2点 青蓮院
アオギスほか写真 3点 本の事務所
勝浦町産出イグアノドン歯化石(複製)ほか 2点 ミュージアムパーク茨城県自然博物館
化石資料および写真 25点 愛媛県総合科学博物館
勝浦町産出イグアノドン歯化石の写真ほか 2点 有限会社ハユマ
アンモナイト等化石資料ほか 90点 御船町恐竜博物館
トウキョウホタテほか 5点 株式会社新学社
化石資料の写真 4点 株式会社あわわ
ニホンムカシジカ(角) 1点 きしわだ自然資料館
火おこし道具 5点 三加茂町立歴史民俗資料館
火おこし・トロトロ石器・石鏃 38点 椿町公民館
馬鐸複製ほか 17点 徳島市教育委員会(徳島市立考古資料館)
林和靖図ほか 7点 徳島市立徳島城博物館
文楽着付人形 お弓ほか 10点 徳島県立文書館
櫓櫂業看板 1点 財団法人徳島県文化振興財団
琺瑯看板ほか 130点 徳島県立あすたむらんど
オレゴン州立大学(OSC) 128点
東北大学(TUS) 314点
北海道大学 (SAPS) 212点
福島大学 (FUKU) 190点
収蔵資料については、整理、標本作製等がすんだものから順次コンピュータ入力し、資料データベースを作成している。
委員は常任委員(5名以内、任期2年)と特別委員(3名以内)から構成されており、特別委員は、購入資料に応じて特に必要がある場合にその都度委嘱される。
本年度は、1件200万円以上の資料がなかったため、委員会は開催しなかった。
11,806冊(平成16年度分 206冊)
自然史系(27タイトル):生物科学、科学、日経サイエンス、海洋と生物、月刊海洋、遺伝、プランタ、月刊むし、昆虫と自然、地学雑誌、月刊地球,
American Journal of Botany, Cladistics, Episodes, Evolution,
Geology, Journal of Evolutionary Biology, Journal of
Paleontology, Nature, Paleobiology, Plant Systematics and
Evolution, Science, Systematic Botany, The American
Naturalist, Trends in Ecology and Evol., Lethaia,
Palaeontology
人文系(32タイトル):美術研究、美術史、佛教芸術、地方史研究、地理、芸術新潮、芸能史研究、月刊考古学ジャーナル、月刊文化財、月刊文化財発掘出土情報、季刊考古学、考古学と自然科学、古文化財の科学、古代文化、古代学研究、国華、古文書研究、考古学研究、考古学雑誌、九州考古学、民族学研究、日本の美術、日本民俗学、日本歴史、日本史研究、歴史学研究、歴史評論、歴史と地理、歴史地理学、史林、史学雑誌、信濃
博物館ニュース 1,409ヶ所
博物館年報 472ヶ所
研究報告 国内 549ヶ所
国外 152ヶ所
展示解説 231ヶ所
企画展図録 自然 133ヶ所
人文 237ヶ所
当館では資料の形態や量などによって、次の3種類の燻蒸を行っている。
小型資料の燻蒸は、資料の受け入れのつど、担当学芸員が減圧燻蒸装置を使って行う。減圧燻蒸装置の有効内寸は、たて130cm×よこ120cm×奥行140cm(約2.3G)である。2004年12月末までは燻蒸剤には臭化メチルと酸化エチレンの混合ガスを使用した。
16年度は12月までに13回の減圧燻蒸装置による燻蒸を行った。2005年1月以降は実施していない。
減圧燻蒸装置に入れることができない大型の資料は、一時保管庫(24時間空調)に仮収蔵し、資料が適当な量になった時点で常圧燻蒸庫で燻蒸する。
常圧燻蒸庫は床面積20G×高さ3m(約60G)であり、燻蒸は文化財専門の燻蒸業者に委託している。2004年12月末までは燻蒸剤には臭化メチルと酸化エチレンの混合ガスを使用した。
16年度は12月までに3回の常圧燻蒸庫での燻蒸を行った。
収蔵庫への出入りなどにともなって、害虫やカビなど資料の保存に悪影響を与えるものが侵入することがある。そのために、原則として3年に1回、専門業者に委託して収蔵庫の全室密閉燻蒸を行っている。
前回は14年度に実施したため,16年度は実施していない。次回の実施は17年度の予定である。
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