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文化の森の植物観察 目次

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あなたのところのタンポポはどれ?
 春に咲く花と言われて,真っ先に思い浮かべるのはタンポポでしょう.タンポポにはよく似たものがたくさんありますが,文化の森にはカンサイタンポポとセイヨウタンポポが生えています.カンサイタンポポはもともと日本にあったタンポポで,土手やあぜ道などの日当たりの良い場所に群生しています.セイヨウタンポポはヨーロッパからやってきたもので,植え込みの隙間のような小さな場所に生えています.この2種の違いは,花の下にある緑色の総苞がそり返るか,そうでないかを比較するとよくわかります.
 徳島市内では,その他にヨーロッパからやってきたアカミタンポポも生えているので,自分のまわりのタンポポがどの種類で,どのような場所に生えているのか記録してみるとおもしろいでしょう.一般に,外国からやってきたセイヨウタンポポやアカミタンポポは,市街地のような都市化した場所に多いと言われています.
 高知県の絶滅のおそれのある植物を集めた「高知県レッドデータブック(植物編)」に,カンサイタンポポがのっています.徳島では普通に見られるものが,隣の高知県に行くと分布が限られているのです.それに対して,高知県では珍しくない白い花を付けるシロバナタンポポは,徳島県では分布が限られています.タンポポひとつとってみても話題はつきません.