←前

文化の森の植物観察 目次

次→

←前

文化の森の植物観察 目次

次→

 では,どのようにして花粉が雌しべに付いて受粉するのでしょう.リュウノウギクの筒状花で調べてみましょう.最初はつぼみの状態(写真A)ですが,開くにつれて雌しべが伸びてきます(写真B).花の中では雌しべのまわりを雄しべの葯(花粉がつまっているところ)が取り囲んでいます.そこから花粉が出て,雌しべが伸びる際にその先端に花粉が押し出されます(写真C).雌しべの先に花粉はついていますが,雌しべが割れてその開いた面に花粉がつかないと受粉しないようになっていますので,これで終わりではありません.この押し出された花粉が虫について,別の花へと運ばれます.やがて,雌しべの先が2つに割れて(写真D),その開いた面に花粉がつき(写真E),受粉します.このように,一つの花の中で花粉を出す時期と受粉する時期が違うことによって,自分の花の花粉ではなく,他の花の花粉が受粉するようになっています.