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文化の森の植物観察 目次

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春を待つ植物
 冷たい風が吹いている2月,まだまだ外には出たくない季節ですが,植物は着々と春の準備をはじめています.中には,もう花を咲かせている春の花もあります.
 園瀬川の川原に行ってみましょう.文化の森橋の下に行ってみると,カワヂシャの花が咲いています.カワヂシャは4月から5月にかけて川辺で咲く花で,その頃は30cmくらいの高さになります.しかし,冬は地面に葉をべったり付けて,花のついた茎を10cmくらいにのばしていて,一見すると春の花期とは違った形をしています.上に橋があるために霜が降りないので,はやくも花を付けているのでしょう.日当たりのよい川原には,オオイヌノフグリやハコベのなかまなどの花がちらほら咲いています.わずかな太陽の光を体に浴びて,精一杯花を付けています.土手には気のはやいツクシも顔を出しています.「ツクシ誰の子,スギナの子」と歌われるように,ツクシはスギナの早春の姿です.スギナはシダ植物なので胞子で増えます.ツクシの先には胞子がたくさんつまっていて,晴れた日に風によって胞子を飛ばします.
 三寒四温というこの季節,霜がおりると,花はしぼんでしまいますが,また暖かくなると花が開きます.そうこうしているうちにやがて春がやってきます.冬の厳しさと戦いながら春を待っています.