文化の森の花だより

[過去の花だより]

1999年11月25日


今月は南の方で見た植物を紹介します.

 

■ ホトケノザ

Lamium amplexicaule Linn.

シソ科

 ホトケノザは春の植物としてポピュラーですが,海南町海老ケ池ではもう咲いていました(11月13日).文化の森周辺でも春になれば,この紫色の花が見られますが,南の方は暖かいのでしょうか.
 春の七草のひとつにホトケノザというのがありますが,それはキク科のコオニタビラコです.コオニタビラコは黄色の花をつけ,ホトケノザの紫色の花とは似ていません.間違ってシソ科のホトケノザを春の七草として食べないようにしましょう.
 ホトケノザの種はその先端にアリがこのむ付属体(エライオソーム)がついていて,アリが種を運びます.詳しくはこちらをごらんください.

 アリが運ぶ種子 

ホトケノザ

追記:1999年12月2日に徳島市内でもホトケノザが咲いているのを確認しました

1999年11月13日

徳島県海部郡海南町海老ケ池で撮影


■ミゾゾバ

Polygonum thunbergii Sieb. et Zucc.

タデ科 

ミゾソバは川のふちや田のあぜのような湿った場所に普通にみられる植物です.普通,花被の先端が赤くなり,ほかの部分が白色をしています.県南の休耕田では,花被の先端が赤い個体のほかに,全体が白色,全体が赤い色をした個体がみられました.

ミゾソバ

ミゾソバ

ミゾゾバ

ミゾゾバ

先端が赤い個体

先端は赤い色をわずかに帯びるが,ほとんど白花に見える個体

花被全体が赤い個体

 


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