ツバキとサザンカ
-ツバキは縁起のわるい木なの?-
文化の森の林の中で,ヤブツバキの花が地面に散らばっているのが目にとまりました.花が終わったところなのですが,地面には花ごと落ちています.花びらがばらばらになって散るサザンカとは対照的です.
ツバキは,このように花ごと落ちるので,人の首が落ちることを連想させ,縁起の悪い木とされ,嫌われる場合があります.
どうして花ごと落ちるのか,サザンカとくらべてみましょう.それぞれの花の断面を見ると,ヤブツバキの方は花びらや雄しべの下の部分がくっついています.ところが,サザンカでは少ししかくっついていません.この違いが,花びらや雄しべがくっついて落ちるのか,バラバラで落ちるのかの違いを起こしているのです.
文化の森にはサザンカがたくさん植えられていますし,ヤブツバキも生えています.よく似た植物をくらべてみると新しい発見があります.
サザンカ一口メモ
「サザンカ,サザンカ咲いた道...」と歌に歌われるくらいサザンカはポピュラーな植物です.文化の森や人家の生け垣に植えられているのは栽培品種が多く,花が赤色をしています.そのせいかサザンカと言えば赤色の花を思い浮かべる人も多いことでしょう.
徳島県には野生のサザンカは県南の1カ所のみに自生しています.徳島県では野生のサザンカは珍しいものでが,花の色は白色をしています.高知県の四万十川の河川敷にもサザンカが自生しているのを見たことがありますが,それも白花でした.このように,野生のものには白花が多いようです.
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地面に散らばったヤブツバキの花(上).ヤブツバキ(中)とサザンカ(下)の花.
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