香川県の方から写真で植物の名前を尋ねられたものです.花からフウロソウのなかま(シコクフウロ,ヒメフウロ,ゲンノショウコ,アメリカフウロなどを含むフウロソウ属)ではないかと思いましたが,写真では詳しいことがわからなかったので,実物の送付を依頼しておいたら送ってくださいましたので名前がわかりました.花期は春です.
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国内に自生するフウロソウのなかまには次の特徴に当てはまりません.
- 春に花が咲く.
- 花弁が切れ込む.
そこで外国からやってきた植物(帰化植物)ではないかと考えましたが,似た種類としてはアメリカフウロがあります.しかし,下記の点で異なっています.
- アメリカフウロに比べて花弁の切れ込みが深い.
- アメリカフウロは萼が花弁より長いので花の上から見ると萼の先が見えるが,これは見えない.
萼には長い毛と腺毛が生えています.
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葉は掌状に切れ込みます.
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茎には長い毛と短い毛がたくさん生えています.植物全体に長い柔らかい毛が多いのが特徴です.そのためヤワゲフウロと名付けられました.
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フウロソウのなかまなので,ゲンノショウコに似た果実(写真左)を着けます.分果には横にしわ(隆起)があります(写真上).
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いろいろ調べてみるとどうやらヤワゲフウロ(Geranium molle
Linn.)という帰化植物のようです.ヨーロッパ原産の植物で日本には1977年に帰化の報告があります.徳島ではまだ見つかっていませんが,大阪には帰化しているようです.香川での報告の有無については不明です.
参考文献:村田 源 1977. 新帰化植物ヤワゲフウロ(新称) 植物分類・地理,38(1-3):83.
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