特定外来生物 アゾラ・クリスタータ環境省の特定外来生物に指定されたアゾラ・クリスタータですが,ネット上ではほとんど資料がありません.それが特定外来生物にあたるのか調べないことには対策の立てようがありませんし,法律上から,生きた個体を採取して信頼のおける機関に同定依頼することも制限がかかってしまっています.本来なら指定した機関が見分け方等の情報をきちんと整備すべきと思いますが,ないよりはましですのでシダ植物については専門外ですが,鳴門市で見つかったアゾラ・クリスタータについて紹介します. 鳴門市で見つかったオオアカウキクサの一種は鈴木(2001)によると,南米原産の Azolla microphylla に近縁であり鳴門型とされ,在来のオオアカウキクサとは区別されました.この生育地はハス田が広がっており,現地の人の話では中国産のハスが持ち込まれたことがあり,その際に入ってきたのではないかとのことでした. 最近になり,A. microphylla,A. mexicana、A. caroliniana などのオオアカウキクサの一種は A. cristata とされたとのことで,鳴門産のオオアカウキクサの一種もこれに含まれるようです. 《追記》兵庫県立人と自然の博物館の鈴木武氏によるとアゾラ・クリスタータとその雑種の区別は形態ではできないとのことです.遺伝子を調べないとわからないとのことですが,この個体については本種が特定外来種に指定されましたのでそれに伴い栽培できなくなり遺伝子をしらべていないので雑種の可能性は否定できません. 参考資料 オオアカウキクサ鈴木武.2001.現場最前線での植物保全と遺伝子多様性.保全と復元の生物学(矢原徹一編).文一総合出版,東京. 環境省(http://www.env.go.jp/nature/intro/index.html) ※シダ植物については専門外ですので,書かれている内容については間違いがあるかもしれません. |