国土基準メッシュ(3次メッシュ)を計算で使うとき、いつも頭を悩ませていました。ある時考え方を変えるとすっきりいくのに気が付きました。それを忘備録として書いておきます。4次メッシュ、5次メッシュのような細分メッシュもこの考え方をするとわかりやすいかと思います。
ある地点の3次メッシュを求めようとすると、その緯度経度から計算をすることになります。しかし、この計算が超難解。「緯度 経度 3次メッシュ」で検索してみると計算式が出てきますのがその説明は筆者の理解を超えています。
通常は下記のような説明になります。
たしかに、元々メッシュが20万分の1や2万5線分の1の地図をベースに作られているから、このようなコード体系や説明になるのでしょうが、計算式を考える場合はちょっとやっかいです。
タンポポ調査は3次メッシュで分布図を描いたりしますので、その時ふと、3次メッシュを単なる升目として扱えばよいことに気が付きました。西から東に向かって○升目、南から北に向かって□升目といった具合です。また、計算にややこしい度分秒は使わず、初めに度単位に直しておけば計算も楽です。
考え方としては下記のようになります。
5134-62-81を①②③④-⑤⑥-⑦⑧として考えてみましょう。①は3次メッシュの1桁目の数字という意味になります。
①②③④-⑤⑥-⑦⑧は
北緯0度、東経100度を基準にして、3次メッシュのマス目が
・北方向に①②×80+⑤×10+⑦ (個)
・東方向に③④×80+⑥×10+⑧ (個)
積まれています。
その南西端の緯度経度はメッシュの幅が南北30/3600度(30秒)、東西45/3600度(45秒)なので
・緯度(北方向)=(①②×80+⑤×10+⑦)×30/3600 (度単位)
・経度(東方向)=(③④×80+⑥×10+⑧)×45/3600+100 (度単位)
となります。
このようにメッシュを単純にマス目で考えると、その位置はエクセルのようなグラフを描けるソフトで(X,Y)の値を持った2次元グラフ(散布図)として描けますので、比較的簡単に分布図が描けるようになります。 3次メッシュで簡単に分布図を描く
次に、緯度経度からの3次メッシュへの計算方法です。
緯度経度をそれぞれ緯度、経度で表します。単位は度です。
度分秒の単位の場合はあらかじめ度単位になおしてください※。
・北方向のメッシュ数 = 商の整数部(北緯 ÷ (30/3600)) 個
・①② = 商の整数部(北方向のメッシュ数 ÷ 80)
・⑦ = 余り(北方向のメッシュ数 ÷10)
・⑤ =(北方向のメッシュ数-①②×80-⑦)/10
・東方向のメッシュ数 = 商の整数部((東経-100) ÷ (45/3600)) 個
・③④ = 商の整数部(東方向のメッシュ数 ÷ 80)
・⑧ = 余り(東方向のメッシュ数 ÷10)
・⑥ = (東方向のメッシュ数-③④×80-⑧)/10
商はint、余りはmodで計算できたりします。
メッシュの中心点はメッシュの間隔の半分(緯度に(30/3600)/2、経度に (45/3600)/2)を足したものになります。
※計算方法 度=(度分秒の度×3600+度分秒の分×60+度分秒の秒)/3600
上の変換については同じ測地系同士であればそのまま使えます。
例:日本測地系の緯度経度→日本測地系のメッシュ
世界測地系のメッシュ→世界測地系のメッシュ
たとえばタンポポ調査・2010西日本のようにメッシュは日本測地系、緯度経度は世界測地系のように測地系が違う場合は経緯度を目的の測地系にあわせる必要があります。