園瀬川流域の絶滅危惧植物

フジバカマ(キク科)

環境省:絶滅危惧II類 徳島県:絶滅危惧I類

 河川やため池ののり面、田の畦などの草地に生える植物で、環境庁のRDBでは絶滅危惧II類に指定され、絶滅の危険が増大している種です.秋の七草の一つであり、かつては身近な植物でしたが、草刈りや河川の氾濫による定期的な攪乱を受ける、生育に適した草地が減っているため激減しており、100年後には絶滅してしまうといわれています.

 県内では佐那河内村・池田町・板野町・川島町・神山町・鳴門市・徳島市に記録がありますが、現在では、阿南市・小松島市・那賀川町などの那賀川や勝浦川周辺で生育が確認されるだけです.園瀬川では数年前八万町の河川敷で過去に1個体だけが見つかりましたが、現在ではみられなくなっていました.2001年9月24日に徳島県立博物館友の会で開催された野外調査行事「園瀬川探検」で、上八万町の園瀬川近くの用水路横で発見されました.現地は、改修工事が行われていない昔ながらの用水で、定期的な草刈りが行われており残っていたのでしょう.その後の調査で八万町の園瀬川の土手でもフジバカマは見つかりました.

 

フジバカマの生育状況.水田の横を流れる小さな用水路脇に生えていた.

 

 

 

フジバカマの頭花.キク科の特徴である、小さな花が集まって一つの花のように見えている.全体が薄く赤みを帯びている.

 

フジバカマの分布

 


戻る