キビシロタンポポTaraxacum hideoi Nakai ex H.Koidz.
岡山県新見市を基準産地として、小泉秀雄が新種としたものである。シロバナタンポポと比べると、頭花は小さく、総苞外片は圧着して、角状突起はほとんどなく、花の色はうすいクリーム色である。花茎が短く、せいぜい30cm程度で、葉の程度の高さである。
総苞外片のへりは赤くなり、辺毛がある傾向が強く、この点ではヤマザトタンポポに似ている。キビシロタンポポとヤマザトタンポポを同種とする芹沢(2006)の見解はもっともであるが、ここでは従来からの学名を用いておく。 4月後半以降は、総苞外片がやや開出し、角状突起もあることが多く、シロバナタンポポに似てくる。シロバナタンポポの季節的な変異は今後の検討を要する。 岡山県から広島県東部には多産しており、福井県からの山口県までの日本海側、福岡県および三重県・奈良県・滋賀県での分布が確認された。四国でも高知県・愛媛県に産する。これは、小泉(1933)が愛媛県を基準産地として記載したホソバウスギタンポポに相当すると思われる。
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