植物観察ノート Mitrastemon yamamotoi Makino
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徳島県の南にはヤッコソウという変わった植物が生育してる。どう変わっているかというと、種子を作る植物は緑色の葉を持っていて光合成をして必要な養分を自分で作るのが普通である。ところが、このヤッコソウは十センチメートルにも満たず、全体が白く緑色の葉を持っていない。自分では養分を作ることができず、別の植物にくっ付いて養分をもらっている。そうした植物を寄生植物という。 ヤッコソウの分布 ヤッコソウの帽子の秘密
ヤッコソウからだのつくり(左)とおしべの帽子をかぶったヤッコソウ(右) 赤い色の部分が筒状になったおしべ ヤッコソウの花の咲き方
寄生植物は変わった形をしたものが多く、世界で一番大きな花を付ける植物であるラフレシアもその一つで、一見、葉は全く見られずに一メートルを超える奇妙な花を付ける。中心には壷のようになった場所があり、その奥に雄しべや雌しべがあって臭いで呼び寄せられたハエが花粉を運ぶ。寄生植物は栄養を作るための葉を付ける必要がないので、子孫を残すための花にエネルギーを集中することができる。そこで、花粉を運んでもらうために効率の良い形になっていて、普通の植物とは変わった形をしている。 [小川誠のトップページ] [博物館のトップページ] このページに関するお問い合わせは作成者:小川 誠(徳島県立博物館)へ |
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