盆棚5　（美波町赤松、美波町北河内字大戸）

○ 美波町赤松字栗作

　

呼　　　称：ショーラはん

撮影年月日：2006年8月13日

概　　　要：家の軒下に毎盆作り置きの木製の棚を設置する。棚の三方にシキミの枝葉をつける。14日に仏壇から位牌をうつし、果物、団

　　　　　子、ゆがいた素麺、ホオズキ、野菜の煮物（ナンキン、キリコンブ、ナスビなど）をお供えする。番茶を14日に21回おまつり

　　　　　する。棚の下方には水桶を置き、ハス（サトイモの茎をきざんだもの）と水を入れておく。お参りする人はその水桶の中にミズ

　　　　　ハギをつけ、棚のお供えの上にミズハギのしずくをふりまくようにする。先祖をおまつりしている。

○ 美波町赤松字栗作

呼　　　称：ショーラ棚

撮影年月日：2006年8月13日

概　　　要：家の軒下に毎盆作り置きの木製の棚を設置する。14日の朝から夕方までおまつりする。14日の朝仏壇から位牌をうつし、ご

　　　　　はん、団子、お茶を棚にお供えする。お茶は14日の朝から夕方まで冷えたらかえてまつるようにする。仏壇とこのショーラ棚で

　　　　　先祖をおまつりする。

○ 美波町赤松字栗作

呼　　　称：タナ

撮影年月日：2006年8月13日

概　　　要：初盆を迎え、新仏をおまつりするために設置する。赤松川に最も近い水田の畦に製作、設置した。シキミの幹4本を立て、骨組みと

　　　　　する。割竹でつくったものを上方において棚とする。棚の上方と側面三方をシキミの葉で覆う。棚前方の地面に小石を108個並べる。

　　　　　14日に設置した棚に新仏の位牌を置き、オリョウグ、団子の供物をする。僧侶がこの棚に経をあげにくる。その際、家のものが集ま

　　　　　り、石の上でタイマツの火を焚いておまつりする。このまつりが終わるとすぐ棚を片付ける。供えたものは、「ムエンさんのため」と

　　　　　いって川に流す。

○ 美波町赤松字遠野

呼　　　称：タナ

撮影年月日：2006年8月13日

概　　　要：初盆を迎えるにあたって新仏をまつるために製作、設置する棚。字遠野内にある赤松中央橋の三叉路の脇に設置した。竹4本で骨組を

　　　　　つくり、上方に竹をすだれ状にならべ、その上方側面三方と上面をシキミの枝で覆う。内部にシキミの枝葉でしきりをつくる。棚前下に

　　　　　初盆であれば、10８の石を並べる。かつては、三年目の盆までこの棚をつくっておまつりしていた。二年目の盆には棚前下に石を216、

　　　　　三年目の盆には棚前下に324の石を並べた。14日に棚の向かって左側に新仏の位牌を置く、その前にオリョウグ、団子、ろうそく、線

　　　　　香を立て、米とナスビの切ったものをお供えする。僧侶が来て、棚の前で半時間ほど経をあげる。これを「棚経」という。お経をあげて

　　　　　もらう際に棚前下に並べた石のうえでタイマツをともす。棚の右側には「ガキボトケ」のために供物をするという。ハスの葉をつるし、

　　　　　にぎりめし三つを供える。14日に棚は片付ける。かたづける際にハスの葉とにぎりめしを川に流す。

○ 美波町赤松字総屋敷

呼　　　称：床の間

撮影年月日：2006年8月13日

概　　　要：毎盆13日に床の間に祭壇をしつらえる。仏壇から位牌を全部出してきて並べる。14日の朝から供え物をしてまつる。供え物は、団子、

　　　　　素麺、サトイモ、果物など。あとは両脇にはシキミ、ミズハギ、コウヤマキをさす。14日の午前中、お茶を21回おまつりする。床の間

　　　　　の祭壇は14日のおまつりがすむと片付ける。先祖をおまつりしている。

呼　　　称：タナもしくは新仏のタナ

撮影年月日：2006年8月13日

概　　　要：新仏をまつるために、屋敷内に製作、設置する。シキミの幹4本で骨組みを立てる。今年生えた竹を切ってすだれ状にしたものを渡し

　　　　　て棚にする。棚部分にはハスの葉をしく。棚上方側面三方とその上方一面にシキミの枝葉、コウヤマキの枝葉を葺く。かつては棚の前方

　　　　　地面に石を108敷き詰めるといった。14日に新仏の位牌を棚におく。僧侶がおがみにきてこの棚の前で半時間ほど経をあげてくれる。

　　　　　僧侶の経が終了したら、一束108のタイマツを5束、棚の近くで焚く。5の数字は5輪塔にちなむ数である。14日に棚は片付ける。

○ 美波町北河内字大戸

呼　　　称：ショーラ棚

撮影年月日：2006年8月13日

概　　　要：毎盆、家の軒下に棚を設置する。「ガキボトケ」のためだと考えている。現在は木製の作り置きの棚を設置しているが、かつては、毎

　　　　　年竹を切ってきて棚をつくっていた。13日に棚を準備して16日までおまつりする。供えものはサトイモの葉をしいた上にナス、青いカ

　　　　　キ、根引きのサトイモなどを供える。棚の両脇にはシキミ、ミズハギをさす。

呼　　　称：ショーラ棚

撮影年月日：2006年8月13日

概　　　要：新仏をまつるために、初盆から二年目まで、久望川川岸に棚を製作設置する。竹四本を立て骨組みとし、上方に竹を渡し棚とする骨組

　　　　　みの竹の上方にシキミをさす。棚前下に石をならべる。一年目は108、二年目は216である。供えものはサトイモの葉の上にナス、青い

　　　　　カキ、根引きのサトイモ。14日の朝、棚前の石の上で一年目は108の木っ端を束ねたタイマツ、二年目は216の木っ端を束ねたタイマ

　　　　　ツを焚く。