徳島県立博物館 資料収集保存活動 本文へジャンプ
活動記録


2016年03月14日(月)
奈良大学生ボランティアの力を借りて部門展示室の清掃作業
 奈良大学文学部文化財学科教授魚島純一氏と学生ボランティアの協力を得て、部門展示室の清掃作業を行いました。

●博物館のIPM(総合的有害生物管理)
 近年、多くの博物館では、害虫による資料への被害を防ぐ方法として、殺虫剤や防虫剤などの薬剤だけに頼るのではなく、定期的な点検や清掃などを組み合わせる「IPM(総合的有害生物管理)」と呼ばれる方法をとっています。徳島県立博物館でもこの流れを受け、文化財用の殺虫剤・防虫剤を適切に使用するとともに、収蔵庫・展示室の定期点検及び清掃を行っています。
 さて、常設展示室を点検する中で部門展示室のケース下の空間にホコリが溜まっている状況が確認されました。ホコリは多くの文化財害虫の餌になるため、資料への影響が懸念されます。しかし、この空間は人がはって入らなければならないほど狭く、面積も広いため、博物館の職員だけで作業するのは困難でした。このことを奈良大学文学部文化財学科の魚島純一教授(保存科学)にご相談したところ、奈良大学の保存科学を専攻する学生を中心としたボランティアの皆さんのご協力を得て、清掃作業を行うことになりました。

●清掃作業
 休館日である3月14日(月)、魚島教授、奈良大学生8人に来館いただき、清掃作業を行いました。
 作業服、マスク、ゴーグル、手袋を身につけ、展示ケースの下にもぐり込み、掃除機でホコリを除去します。狭い空間に悪戦苦闘しながらも、みなさんのがんばりのおかげで1日かからず清掃を終えることができました。
 また、清掃終了後、今後の文化財害虫の動向を確認するために粘着トラップ(粘着面の上を歩いた虫を捕獲する)をケースの下に設置しました。害虫の活動が活発になる初夏頃に回収し、害虫の有無や種類を確認する予定です。
 
 今回は、奈良大学のみなさんのおかげで、博物館職員だけではなかなかできない作業を行うことができました。
 奈良大学のみなさん、どうもありがとうございました!