例会報告概要

第1回例会

長谷川賢二「博物館と地域のあいだ ― 最近の博物館論と博物館制度をめぐって ―」
 
1990年代以降の博物館論の転回を概観し、最近の博物館経営論者の問題点、公立博物館制度の動揺について述べた。博物館の理念と存在感の発揮、住民意識の転換の必要性を指摘した。

松下 師一「小規模公立博物館と文化財行政 ― 博物館の機能を公共財として維持するために ―」
 松茂町立歴史民俗資料館の具体例をもとに、小規模自治体における博物館の存続の方向性を検討した。文化財行政、文化行政との一体化による博物館の機能維持を主張。

第2回例会

竹内 利夫「美術館の機能と鑑賞教育 ― 現場報告から ―」
 近代美術館一般の抱える課題やその背景をとらえ、制度・基盤を鍛える方向性を鑑賞教育の推進に求めた。さらに、徳島県立近代美術館における実践の具体的な経緯や課題について論及。

金原 祐樹「徳島県立文書館の古文書分類」
 文書館における目録や資料分類の課題を論じた。徳島県立文書館における試行錯誤をはじめ、文書館界で推進が主張されている目録の国際標準化の考え方や問題点についても紹介。

第3回例会

鞆谷 純一「図書館と博物館の接点 ― 戦前図書館史の観点から ―」
 図書館と博物館の関係を考えるための糸口を図書館史に求めた。戦前図書館史を「受難」と「権力性」の両面からとらえ、検討した。

第4回例会

長谷川賢二「指定管理者制度との向き合い方」
 指定管理者制度導入が加速する一途をたどる現状についての認識、公立博物館ないしは学芸員が考えるべきこと、すべきことについて述べた。

松下 師一「『指定管理者制度』について見聞したこと」
 
自治労文化財・博物館関係労組連絡会による第2回文化財・博物館関係団体交流会への参加報告。とくに、島根県立美術館の指定管理者となったサントリーパブリシティーサービス社長の講演内容とそれについての感想を中心に述べた。

第5回例会

長谷川賢二「アンケート調査に見る博物館の意義と課題」
 平成17年度文化庁芸術拠点形成事業における徳島県立博物館の利用実態調査の結果の分析内容を報告し、利用者の特徴や博物館利用の効果について検討した。

 

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