徳島博物館研究会(第2期)

 

 徳島博物館研究会は、2000年、徳島県内の歴史・自然史系学芸員やアーキビスト、司書、高校・大学教員等により結成されました。一定期間の例会活動の継続とその成果を論文集としてまとめることを目指し、2002年3月に『地域に生きる博物館』を刊行して活動を終えました。

 その後、深刻化する経済情勢のもと、官公民を問わず進んできた既存秩序の改編の中で、博物館に対しては、理念なき不要論や公立施設の民営化論などの逆風が吹いています。博物館という制度自体が揺らぎ始めているといっても過言ではないと感じています。この間、ボランティアの受け入れ促進や学校教育との連携が進展するなど、博物館が新しい方向性を模索してきたことも事実ですが、事態はより急速に進んでいったように感じています。

 このような状況下においてこそ、学芸員が真摯に今後の方向性を模索するための結集・討議の場、さらにはその取り組みの社会への発信が必要です。そこには、社会教育機関全体に関わる論点も多々あると思われます。だからこそ、学芸員のみならず、司書、アーキビストをはじめ、様々な立場の人たちの関わりが望まれます。

 以上のような趣旨により、第2期徳島博物館研究会は活動を開始しました。

 

 

活動記録

2004.5.14

発起人会(徳島県立文書館)

第1期研究会事務局の金原祐樹(徳島県立文書館)、松下師一(松茂町歴史民俗資料館)、長谷川賢二(徳島県立博物館)に、徳野 隆(徳島県立文書館)、生駒佳也(徳島市立高校)を交えて打ち合わせ。運営方針の決定。会員募集開始。

2004.7.10

第1回例会(徳島県立博物館)

長谷川賢二(徳島県立博物館)「博物館と地域のあいだ ― 最近の博物館論と博物館制度をめぐって ―」

松下 師一(松茂町歴史民俗資料館)「小規模公立博物館と文化財行政 ― 博物館の機能を公共財として維持するために ―」

2004.11.14

2004年度鳴門史学会大会(徳島県立文書館)

会員数名参加。会員のうち金原祐樹(徳島県立文書館)、松下師一(松茂町歴史民俗資料館)が報告。

2005.1.6

第2回例会(徳島県立文学書道館)

竹内 利夫(徳島県立近代美術館)「美術館の機能と鑑賞教育 ― 現場報告から ―」

金原 祐樹(徳島県立文書館)「徳島県立文書館の古文書分類」

2005.3.6〜7

第1回四国ミュージアム研究会(高知市立自由民権記念館、高知県立美術館)

会員数名参加。会員のうち長谷川賢二(徳島県立博物館)が報告。

2005.3.18

第3回例会(徳島県立文学書道館)

鞆谷 純一(徳島県立池田高校)「図書館と博物館の接点 ― 戦前図書館史の観点から ―」

2005.6.23

第4回例会(徳島県立文学書道館)

長谷川賢二(徳島県立博物館)「指定管理者制度との向き合い方」

松下 師一(松茂町歴史民俗資料館)「『指定管理者制度』について見聞したこと」

2005.2.19〜20

第2回四国ミュージアム研究会(愛媛県美術館ほか)

会員数名参加。

2006.2.23

第5回例会(徳島県立博物館)

長谷川賢二(徳島県立博物館)「アンケート調査に見る博物館の意義と課題」

2006.3.5

シンポジウム「博物館と地域のこれからを考える」

会員数名参加。松下師一代表がコメンテーターを務める。

2007.3.4〜5 第3回四国ミュージアム研究会(香川県歴史博物館・丸亀市猪熊弦一郎現代美術館) 会員数名参加。四国ミュージアム研究会編『博物館が好きっ!−学芸員が伝えたいこと−』(2007.2刊)配布(会員の執筆あり)。
2007.6.3 第6回例会(徳島県立文書館) シンポジウム がんばるミュージアム−四国ミュージアム研究会編『博物館が好きっ!』発刊によせて−
東浦 博史
(相生森林美術館)「地域とのコミュニケーション」
高嶋 賢二
(伊方町町見郷土館)「『佐田岬みつけ隊』が行く」
久保田昇三
(観音寺市郷土資料館)「高潮被災古文書と文化財ボランティア」
徳平  晶
(春野町立郷土資料館)「公文書から歴史資料へ」
コメント 宮崎 篤子
(高知市立自由民権記念館)

 

 

 

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