平成17年度第1回徳島県立博物館協議会議事録

日 時

平成17年8月19日(金) 13:30〜16:00

場 所

徳島県立博物館 3 階  講座室

次 第

1 開会

2 館長挨拶

3 議事

(1)平成16年度事業の実施状況について

(2)平成17年度事業計画について

(3)その他

4 閉会

出席者

委員10名

記 録

●役員選出

 事務局案(中村会長・大石副会長)が承認される。

●平成16年度事業の実施状況について(自己点検・評価に対する検討)

事務局 平成16年度の事業については,中期活動目標に沿って活動を行い,自己点検・評価を行った。年報も中期活動目標に沿って編集するなど内容を大幅に変更した。博物館活動に対する確立された評価システムは,現時点では存在しない。
 当館では博物館協議会を外部評価委員会と位置づけ,様々な意見をいただきながら,博物館活動の改善・活性化に結びつけていきたい。
 平成16年度の事業実績,自己点検・評価については,年報14号に基づき説明させていただく。

委 員 資料収集について,「収蔵資料点数がファジーなのでデータベースの登録率はあまり意味がない」という説明があったが,それならそれに代わる把握の仕方を考えていかないといけないのではないか。

事務局 収蔵資料点数については,資料の受け入れ段階でカウントできるものはするが,セットで多量に受け入れたものについては概数でカウントしている場合がある。 データベース登録率=データベース登録数/収蔵資料であるため,分母に不確定なものが含まれていれば登録率もあいまいになる。したがって,データベース登録率については,実際に「登録した数」を目標値にする方が良いかもしれない。
 なお,実数が把握し切れていない多量の資料を抱える昆虫・植物分野以外は,収蔵資料点数は正確にカウントされており,ほぼ全資料がデータベースに登録されている。

委 員 データベース化していないものは十分活用されていないのではないか。

事務局 データベース化していなくても,担当学芸員は把握しているので,活用できるものは展示したり,貸し出したりしている。

委 員 今年度の年報は中期活動目標に沿って編集されているのでわかりやすかった。博物館が自ら評価指標を立てて取り組んでいることは評価したい。その上で,次の3点についてお尋ねしたい。

 ・外部研究機関等との連携による調査研究の推進について,16年度実績で14カ所とあるが,具体的にはどうか。
 ・科研費はいくらくらいか。
 ・県民参画型調査研究の推進について,17年度は新規調査はあるのか。

事務局 外部研究機関等との連携については,従来とカウント基準を変更し,個人的な共同研究も含めたため,15年度より増加している。科研費については,当館で該当するものは,いずれも分担者または協力者としての参加であり,旅費を負担してもらえる程度である。代表者としての採択を目指して努力する必要がある。県民参画型調査研究については,17年度の新規はないが,従来からのアサギマダラの調査は継続する。

委 員 学芸員は世界的視野が必要。海外の学会等にも出席し,力をつけてもらう必要がある。アウトプットだけでなく,「種まき」も検討して欲しい。教育委員会へのお願いだが,予算も厳しいと思うが,長い目で学芸員を育てていって欲しい。

●平成17年度事業計画について,その他 

事務局  平成17年度予算および事業計画について説明(→資料

委 員 展示に関してだが,箱型ケースは車いすでは近づいて見ることができない。車いすでも見やすいような工夫をして欲しい。文字も大きくして欲しい。
 駐車場については以前,フラットにして欲しいとお願いしたら対応していただいてありがたいと思っているが,雨が降っても濡れずに駐車場から施設まで移動できるような手段(屋根等)を考えて欲しい。子どもが小さいときはともかく,一般の人が博物館の情報に触れる機会が少なすぎる。 そのため,博物館に興味がなくなる。一般の人が興味を持てるような広報の仕方を検討して欲しい。

事務局 展示については,いつもご指摘をいただきながら,なかなか改善できず,申し訳ない。ケースの変更は難しいが,床面に傾斜をつけたり,前後の資料・キャプションの重なりを避けるなど,展示の仕方は変えてきている。駐車場の屋根については,関係機関にお願いしてみたい。

委 員 初めてこの会に出席させていただいた。バリアフリーについては,子どもたちに教育してきている立場でもあり,自分自身の反省も込めて,努力もしていきたい。

委 員 年報を見ると,学校の博物館利用は年3回とあるが,受け入れが難しいのか。また,テレビ出演をして広報をしているようだが,出演の告知も必要ではないか。催し物の情報は,マスコミの内部でも知らない人が多い。PRに工夫が必要なのではないか。

事務局 学校の博物館利用が年3回となっているのは,館内での授業の数である。遠足等は,半年間で70くらいの申し込みがあり,1年間では100程度の利用はある。

委 員 博物館活動のPRについてだが,徳島城博物館はPRが上手だと思うがいかがか。表現が県立博物館に比べてやわらかいように思う。

委 員 マスコミがそういう風に報道してくれている。意識しているわけではないと思う。

委 員 バリアフリーについては,雨が降ったときは車等を搬入口まで誘導することを検討してはどうか。工事を伴わなくても方法はある。また,PRについては,イベント等を上手く利用すれば柔らかくなるのでは。マスコミの人と仲良くなるのも一つの方法か。

委 員 以前は博物館へも足を運んだが,子どもが大きくなってからは立ち寄ったことがなかった。久しぶりに展示室を見たが,新鮮さが感じられなかった。旧博物館のときは,類似の施設がほかになく,県内で一つだったが,今は他にもたくさん施設がある。 予算も厳しいと思うが,県立博物館の生き残りという意味も込めて,特色ある博物館を目指していく必要があるのではないか。出前授業等の利用も地域に偏りがある。遠い学校では,ここまでくることは難かしい。資料の貸し出しなどもPRしていかないといけない。

委 員 博物館もここ2,3年で変ってきた。中期活動目標に基づき頑張っているとの印象を受ける。利用しやすい展示,施設という視点を,常に心がける必要がある。これだけのことをしているのに,なぜ,利用者増に結びつかないのか。県民への宣伝がうまくいっていないのか。PRが大きな課題。また,これから団塊の世代が退職すると,趣味の時代が来る。そういう方にも対応できるようにする必要があるのではないか。

委 員 北海道の旭山動物園の利用者が上野動物園より多いことを考えると,立地が悪くても利用者増を図る余地がある。上勝町の「彩」は,入館料を1,000円徴集するが,団体が来ている。うまくプレゼンテーションをしている。いろいろ工夫はできると思うので,これからも前向きに取り組んでいって欲しい。


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