分布図の自動作製方法


 

データベースなどの格納された座標のデータを元に,分布図を自動的に作成させる方法について少しだけ解説しておきます.下記のようないくつかの方法があります.

 

表計算などのグラフ作成機能ででプロットをうつ.
  トレンシングペーパーにコピーしたものをかぶせコピーする.

BASICやC,Javaなどのプログラミング言語を使う.

エクセルで書く分布図

異種のグラフの書ける表計算ソフトで地図とプロットを打つ(エクセルの例)

発行と引用機能を使って,プロットをグラフックソフトに送り,下絵の地図と重ねる.

グラフィックソフトのマクロ機能で描く.

地図作成ソフトを使う.

データベースソフトのグラフ機能を使う(パノラマIIの例)

データベースソフトのグラフィック機能を使う(桐の例)  →サンプルファイル

データベースソフトからグラフィックソフトを制御し,分布図を描かせる.

 

 

どの方法でも下絵の地図を用意し,それにプロットをどうやって打たせるかが問題で,それがクリアできれば比較的簡単に分布図を描かせることが可能です.

 

小川 誠 
1998年6月25日 


アクセス解析を見ていると「エクセル+分布図」で検索エンジンから飛んできている方が案外多いので,少々追記しておきます.

上記は10年近く前に書いたものなので今なら,ファイルメーカ*でデータ(経緯度等)を管理し,GoogleMapに書き出してインターネット経由でみんなで確認,印刷等の場合はSVG形式に書き出す事になるかと思います.GoogleMapもSVGもテキストファイル(XML)なのでその仕様にあわせて,ファイルメーカ側でデータを加工しテキストファイルに書き出せばよいわけです.SVGですと下絵にビットマップ画像を配置できますし,イラストレータでも加工できますのでより美しい分布図が作成可能です.

SVG形式の下絵地図のサンプルを作成しました.下記リンクをクリックするとブラウザ上でSVG形式の画像が表示されます(プラグイン等の設定が必要な場合がある)し,ファイルをダウンロードして適当なテキストエディタで開けばテキストファイルであるということがわかります.あとはこれにプロットに当たるデータを適当な場所に付け加えてやればよいわけです.

下絵地図のサンプル(map.svg)

このような技術の応用で,データベースで標本等のデータを管理し,データを元に作成した分布図や写真,解説などを加えて,一気にAdobe InDesignなどのレイアウトソフトに書き出せば,植物誌(フロラ)ができます.こうした技術はデータベースパブリッシングと呼ばれていますが,同定が間違っていたからといっていちいち原稿や分布図を書き直す必要はなく本を作るための労力は大幅に削減することができます.その分データ作成の精度を上げることに労力を割けることになります.

*エクセルでも可能かとは思いますが,私の場合はデータ量が多いのでデータベースソフトを使っています.自分の使いやすいツールを使うのが一番かと思います.

2008年夏追記 


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