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データベースなどの格納された座標のデータを元に,分布図を自動的に作成させる方法について少しだけ解説しておきます.下記のようないくつかの方法があります.
● 表計算などのグラフ作成機能でトレンシングペーパーにプロットをうつ.
下絵の地図にかぶせコピーする.
● エクセルで分布図を書く
上記の応用で.地図の画像を用意してグラフの下絵として利用します.
● Rで分布図を描く
● BASICやC,Javaなどのプログラミング言語を使う.
● グラフィックソフトのマクロ機能で描く.
● 地図作成ソフトを使う.
● データベースソフトからグラフィックソフトを制御し,分布図を描かせる.
● Google Map(グーグルマップ)や電子国土を使う
マイマップを使って簡単にGoogle Mapに分布図を表示する例
● グラフィックソフトで扱える形式(SVGやDXF形式)に書き出す.
● Linux系のグラフィックソフト(gdやImageMagickなど)を使いPNGやGIF形式に書き出す.
● GISソフトを使う
どの方法でも下絵の地図を用意し,それにプロットをどうやって打たせるかが問題で,それがクリアできれば比較的簡単に分布図を描かせることが可能です.
タンポポ調査の場合は,ファイルメーカ*でデータ(経緯度等)を管理し,GoogleMapや電子国土に書き出してインターネット経由でみんなで確認,印刷等の場合はSVG形式に書き出す事になるかと思います.GoogleMapもSVGもテキストファイル(XML)なのでその仕様にあわせて,ファイルメーカ側でデータを加工しテキストファイルに書き出せばよいわけです.SVGですと下絵にビットマップ画像を配置できますし,イラストレータでも加工できますのでより美しい分布図が作成可能です.
SVG形式の下絵地図のサンプルを作成しました.下記リンクをクリックするとブラウザ上でSVG形式の画像が表示されます(プラグイン等の設定が必要な場合がある)し,ファイルをダウンロードして適当なテキストエディタで開けばテキストファイルであるということがわかります.あとはこれにプロットに当たるデータを適当な場所に付け加えてやればよいわけです.
このような技術の応用で,データベースで標本等のデータを管理し,データを元に作成した分布図や写真,解説などを加えて,一気にAdobe InDesignなどのレイアウトソフトに書き出せば,植物誌(フロラ)ができます.こうした技術はデータベースパブリッシングと呼ばれていますが,同定が間違っていたからといっていちいち原稿や分布図を書き直す必要はなく,本を作るための労力は大幅に削減することができます.その分データ作成の精度を上げることに労力を割けることになります.
*エクセルでも可能かとは思いますが,私の場合はデータ量が多いのでデータベースソフトを使っています.自分の使いやすいツールを使うのが一番かと思います.
2009年1月
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