インターネットの活用(学名-解決編)


今回,友人からもらった鉢植えに生えていたという謎の植物が持ち込まれた.一見して外来種のようであるが,原産地等詳しいことはいっさい不明である.の続き
■Claytonia属でアメリカ産の可能性があることがわかったので
北アメリカのフロラを検索できるサイト(e-flora)でClaytoniaを検索します.

するとClaytonia属の検索表がでてきます.

http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=107275

■調べた結果
上記以外にもgoogleなどでいろいろなサイトをめぐって,Claytonia perfoliata Donn ex Willd.であることがわかりました.

北・中米原産で現地ではMiner's lettuce(坑夫のレタス), Indian lettuc(インディアンのレタス)などの名で呼ばれているもので,食用となります.

■日本にはどうなの?
Claytonia perfoliata で帰化植物便覧(日本で記録された帰化植物の一覧)で検索したところ,この学名ではのっていませんでした.帰化植物のメーリングリストで尋ねたところ,水田さん,植村さんから情報をいただき,Montia perfoliata (Donn ex Willdenow) Howellの学名で狩山ら(2000)によって日本では帰化が最初に記録されていて,和名もツキヌキヌマハコベと付けられていたことがわかりました.

ということで,ツキヌキヌマハコベ(Claytonia perfoliata Donn ex Willd.)と同定できました.

狩山俊悟・小畠祐子・榎本 敬(2000)岡山県新産の帰化植物(11).倉敷市立自然史博物館研究報告,(15):23-26.
太刀掛 優・中村 慎吾編者(2007)改訂増補 帰化植物便覧.pp.676. 比婆科学教育振興会.


このページに関するお問い合わせは作成者:小川 誠(徳島県立博物館)

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