植物相調査チェックシステム

植物相調査チェックシステムとは

環境調査などで植物相調査を行うが,その調査結果に問題がないかチェックするためのシステムである.あくまでもこのシステムは現地へ出向て行うものではないので,報告書上のエラー(疑問点,問題点)を抽出するに留まっている.エラーが多い場合は再調査をするか,実際に現地を見て判断する必要がある.しかしながら,このレベルのチェックでもひっかかる調査があり,再検討や調査の改善を依頼できより精度の高い調査が行える.

参考:博物館ニュースの記事

どんなことをチェックするシステムなの?

植物相の調査は下記のような手順で行われる.

このAのところでエラーをチェックする.

チェックする項目

  • 和名がこちらの種のデータベースに登録されていないもの(異名で登録されている可能性がある)
  • 県内で記録されていない種(徳島県新産の可能性あり)
  • 徳島県および環境省のレッドデータブック掲載種
  • その他要注意種(誤同定されやすい種など)

チェックの例

調査地区内にため池があり,休耕田も存在するにもかかわらず湿地生の植物が少ない
徳島県に記録がない種や1カ所にしか記録がない種がある
              ↓
指摘事項:湿地環境に対する調査不足が考えられる.誤同定または花の着いてない標本による同定の可能性有り.
改善案:標本をよく再検討すること.信頼できる者に同定を依頼すること.次期調査では湿地環境の調査を重点的に行うこと.

※実例ではありません.私のところに相談に来た場合チェックシステムで出た結果を見ながら上記のような話をしているという例です.このようにしながら,博物館と行政がタッグを組んで自然を守っています.


このページに関するお問い合わせは作成者:小川 誠(徳島県立博物館)


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