スズカケソウ ゴマノハグサ科
スズカケソウとは 園芸植物として江戸時代から知られていたが,自生地がわからなかった謎の植物である. 岐阜県では竹林に生育しているが,最初は自生と言われていたものの,最近では栽培の逃げ出したものという説と自生という説がある. 中国に分布しているので,日本のものは栽培の逸脱の可能性は否定はできない.なお,中国では形態の変異が多く,いくつかの変種に分かれている.中国のスズカケソウについては,ミズリー植物園のデータベースで「Veronicastrum villosulum」を検索すると情報が得られる.なお,中国では,snail-borne diseasesによる熱の薬として使われているようである. 環境省のレッドデータブックによると,絶滅危惧IA類(CR:ごく近い将来にお ける野生での絶滅 の危険性が極めて 高いもの)になっており,生育しているのは徳島だけで,岐阜と鳥取では現状不明となっている.しかし,岐阜県版レッドデータブック(http://www.pref.gifu.lg.jp/pref/s11549/reddata/data/plant017.htm)では”個体数が危機的水準まで減少している。”とされている.
野外では斜面から茎を垂らしながら伸ばすので,しばしば花が下向きになる.
スズカケソウの花 以前貞光のスズカケソウは種子繁殖していないのではないかと書いたが,2004年7月に確認したところ,現地の岸壁で種子繁殖したと思われる個体があった.また,地元の皆瀬小学校では,スズカケソウを大切に保護していて,種子をまいたことろ発芽したとのことであった. 岸壁にしがみついたように生えるスズカケソウ
皆瀬小学校で保護・増殖されているスズカケソウ |