タンポポ調査西日本2010 徳島県予備調査結果


グーグルマップを利用した調査したメッシュの詳細地図

グーグルマップを利用した調査結果の詳細地図


 

1.調査への取り組み

 徳島県では、いままでに全県にわたってのタンポポ調査は実施されたことがありません。そのため、徳島県のタンポポ属の分布の概要を把握するために文献と標本の調査を行いました。徳島県植物誌(阿部)にはカンサイタンポポ、シロバナタンポポ、クシバタンポポ、ヤマザトタンポポ、セイヨウタンポポ、アカミタンポポの6種が記録されています。県立博物館に収蔵されている標本を調べて分布図を描いたのが図1です。カンサイタンポポは広く分布し、セイヨウタンポポは都市部にも多いが、山間部にも分布していることがわかります。しかしながら、標本の調査では、標本のラベルには経緯度等の産地を特定する情報は書かれていないために、地名から場所を読み取ることになり、詳細な精度で分布のプロットを打つことはできません。また、古い標本が多いので、このデータだけで現状を把握することは困難です。さらに、阿部がヤマザトタンポポとした標本を調べましたが、カンサイタンポポの誤認と思われました。
 以上のことを踏まえて、①徳島県におけるタンポポの詳細な分布を記録し、継続的に調査することで、自然環境の変化をとらえる、②ヤマザトタンポポを含めて徳島県に分布するタンポポの種類を明らかにする。③在来種と外来種の雑種の現状を明らかにする、④調査を通じて、参加者の自然環境への関心を高めることを目的に、タンポポ調査西日本に参加することにしました。
 調査に先立ちヤマザトタンポポの実態を把握するために、2007〜2008年に兵庫、鳥取、島根、岡山、愛媛の各県に赴き、タンポポを調べました。
 調査体制としては、徳島県実行委員会を結成し、米澤義彦氏(鳴門教育大学)を委員長とし、森本康滋氏(徳島県自然保護協会会長)、木下 覺氏(徳島県植物研究会会長)、茨木 靖学芸員(徳島県立博物館)と小川がメンバーとなり、調査方法や説明会、広報について検討を行いました。
 2009年4月19日には一般向けの野外説明会とスタッフ向けのサンプル処理室内実習を行いました。調査用紙は県内の各学校に送付し、博物館のイベントや研究会等で配布しました。


図1.徳島県立博物館の収蔵標本から調べた徳島県のタンポポの分布

図1.徳島県立博物館の収蔵標本から調べた徳島県のタンポポの分布

 調査にあたり、ホームページ(http://gonhana.sakura.ne.jp/tanpopo/)を立ち上げ、説明会などのアナウンス、調査方法の解説、結果の公表を行いました。GoogleMapや電子国土などを使って分布図を表示する手法を開発し、すみやかに結果を伝えることができようになりました。また、調査方法について分かりやすく説明するために、イラストを多用した調査用紙を作成し試験的に配布しました。この改良した調査用紙は本調査の調査用紙のベースとなりました。

2.徳島県における結果の概要

 徳島県実行委員会に集まった調査用紙は1172枚でした。記載された氏名から判別できた参加者は95名で、小学生から大人までの参加がありました。県内の産地が多かったのですが、県外や国外のサンプルも寄せられました。
 予備調査の結果を図2に示しました。セイヨウタンポポとアカミタンポポの果実がないと判別が難しく、外部形態から在来種との雑種の判別は困難であるために、雑種を含めて外来種として扱いました。予備調査で集まったのはカンサイタンポポ、シロバナタンポポ、クシバタンポポ、セイヨウタンポポ、アカミタンポポで、ヤマザトタンポポは見つかりませんでした。外来種との雑種と思われる個体は広い地域で見られました。シロバナカンサイタンポポが徳島県で初めて見つかりました。また、果実の色が濃い白花系のタンポポが見つかり、キビシロタンポポの可能性がありますが、本調査で再確認することとなりました。

3.本調査に向けて

 本調査では予備調査で調査できなかった地域を中心に調査を進めていく必要があります。そのためにより多くの参加者を募るための広報手段の検討や、学校などへの説明会を行う必要があります。また、わかりやすく調査方法を示すために、ホームページの充実が必要であると考えています。


図2.予備調査で得られた徳島県のタンポポの分布

図2.予備調査で得られた徳島県のタンポポの分布  詳細な地図はこちら


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