平成19年度 文化庁芸術拠点形成事業

ヤングボランティアとの協働による体験キット開発事業

 

●この事業は、平成17年度芸術拠点形成事業「元気な博物館づくりプロジェクト」をはじめとして、当館で取り組んできた博物館評価によって見えてきた課題、過去2年間試行してきた公募ボランティアによるイベント企画運営の成果と課題を踏まえて、「若者」との連携による親しまれる博物館づくりを目指して企画しました(事業期間:平成19年7月〜平成20年3月)。
●20歳前後の若者を核としたボランティア組織の育成・定着を重点課題としながら、子どもを対象とする人文系収蔵資料をベースにしたキット開発に取り組み、その成果を今後の博物館運営に活かしていきたいと考えています。
●当館が事業主体ですが、館外から指導者として、一森勇人氏(阿南工業高等専門学校)、吉野達也氏(徳島文理大学)、松下師一氏(松茂町歴史民俗資料館/徳島博物館研究会)、友井伸一氏(徳島県立近代美術館)、金原祐樹氏(徳島県立文書館)を迎え、地域連携型の事業として行いました。

 

この事業で制作したオリジナル体験キットはこちらで紹介しています

 

 

指導者会議 7月2日
 事業のスタートに当たって、方針を協議しました。過去の反省点や課題、近代美術館でのボランティア活動の様子など、いろいろな話が出ました。成果を求めることに汲々とせず、ボランティアのみなさんの達成感を大事にしてほしいという、貴重な意見もありました。会議での議論を肝に銘じながら、これからの活動を進めていきたいと思います。

  

第1回活動 7月7日
 初めての活動日。阿南高専の学生4名が参加しました。博物館に慣れてもらうこと、キット開発に向けての下地づくりをすることを考えて、常設展示室を中心とする館内見学と意見交換をしました。展示室では、ワークシートを片手に、じっくり資料を見てもらいました。

 

第2回活動 7月21日
 阿南高専の学生5名、徳島文理大の学生3名が参加しました。
 今回初参加の人たちは常設展示室の見学、2回目の人たちはキットのアイディアを書き出していく作業をしました。職員も一緒になって、案を出しつつ、にぎやかな一時となりました。最終的には、幼児、小学校低学年、同高学年の3段階程度の年齢層を想定したものを作ります。
 次回以降、さらにアイディアの付加や整理をしていくことになります。

 

第3回活動 8月4日
 「2007年度 博物館を楽しくするボランティアスタッフの活動」のページに記していますが、今回からは公募ボランティアの皆さんにも、学生ボランティアのサポート等をお願いすることにしました。やや大所帯になるのですが、キットの対象である小学生も、公募ボランティアに参加しているお母さんと一緒に来てくれているので、期待できそうです。
 今回は、アイディアの整理や再度の展示室チェックによる検討作業に取り組みました。

 

第4回活動 8月26日
 夏休み期間でもあり、出席者が少なかったのが残念でした。学生ボランティアと公募ボランティアをまとめて、キットの対象年齢別(就学前、小学校低学年、小学校高学年)に3班に分けました。といっても、あくまで学生を中心にという事業の趣旨に添ったスタンスは変わっておらず、各班のリーダーも学生の役割としました。それぞれの班では、これまでに出てきたアイディアを踏まえながら、目指す方向を検討し、いくつかの候補がまとまってきました。

 

第5回活動 9月9日
 全ボランティアが一堂に会し、班別に具体的な制作内容を考えていきました。キットの試作に向けて、実際に必要になる物品も書き出していき、議論を続けました。なかには、試作に取り組んだ班もあり、高学年班では、徳島城鷲の門をモデルにしたポップアップカードができました。今月末まで班別に活動し、次の全体会(9月30日)では試作品のプレゼンテーションをする予定です。

 

班別活動 A班 9月17日
 しばらく班別での活動が展開します。きょうはA班(就学前児童対象)が集まりました。すごろくや福笑いの制作が挙がっています。考えていることが実現できるかどうか、学芸員のレクチャーを受けるなどして検討しました。

 

班別活動 B・C班 9月22日
 きょうは、B班(小学校低学年対象)、C班(小学校高学年対象)がそれぞれ、活動を行いました。B班は、レプリカ体験のための型取りテストや、元になる粘土工作、スタンプの試作などをしました。C班は、徳島城鷲の門のポップアップカードの原型を仕上げ、続いて、展示室にある藍商人の帳場のポップアップカード制作にも取り組みました(写真はB班)。

 

班別活動 A班 9月26日
 A班は2度目の班別活動でした。ここへ来て急ピッチで作業を進めています。すごろくの原案はできていますが、今は人形浄瑠璃の頭をもとにした福笑いの制作に力を集中しています。みんなでアイディアを出しあいながら、なごやかに進んでいきました。ユニークなものができそうです。

 

第6回活動 9月30日
 いよいよ、各班別に全員の前で試作品をプレゼンテーションする中間発表会となりました。取り組み内容を披露し、意見交換をしました。一通り終わったら、また班別で作業をし、三々五々解散しました。
 2月にイベント(合同ワークショップ)を開催するので、キットの完成目処や広報、イベント準備のスケジュールを考えなくてはいけない時期になりました。これからは「ゴール」を目指しての取り組みになっていきます。
 これからしばらくは、大学・高専の関係するイベントが多くなるので、全体会は少し間をあけての開催となります。しばらくは、班別の活動が続きます。
(左上)A班
(右上)B班
(左下)C班

 

班別活動 A班 10月3日
 頑張るA班です。中間発表の後、間もないけれど、みんなが集まって作業を進めました。福笑いが「完成」といってよい段階に入りました。使用する画像などの整理をしたら、業者発注して印刷します。ワークショップでは、どういうふうに使うかということも考えつつあります。

 

班別活動 A〜C班 10月13日/C班 10月27日
 各班それぞれに試作品制作が続いています。印刷等の発注に向けてあと少しのところまで来ました。

 

印刷見積もり依頼 10月30日
 この時点までに試作品が完成しているものについて、担当職員(ボランティア委員)が取りまとめて、印刷業者さんに見積もりを依頼しました。A班は人形浄瑠璃の頭をもとにした福笑い制作キット、B班は資料カード(子どもが型取りして作るレプリカとセットにして使用)、C班は徳島城鷲の門のポップアップ模型制作キットです(写真はあえて載せません。お楽しみに!)。

 

第7回活動 11月10日
 各班ごとに考えている、キットを活用したイベント(合同ワークショップ)の方針をまとめて検討しました。会場は常設展示室内になりますが、その中でどのようにやっていくかということは、まだぼんやりとしていました。ワイワイと意見を出しあいながらイメージを整理し、具体的にどこにどのような配置をするかなどを考えていきました。
 各班から1名ずつ選出されている広報担当のみなさんには、きょうの話を踏まえてチラシの原案を考えてもらうことにしました。広報担当は、たまたま徳島文理大学の学生ばかりなので、うまく相談しながら進めてもらうようお願いしました。

 

班別活動 A班 11月15日
 福笑いの制作途上での問題点の協議、イメージの確認など、打ち合わせをしました。

 

班別活動 B班 11月17日
 レプリカ体験に使う型を製作しました。

 

印刷発注第1弾 11月20日
 見積もりをとった品目を正式に発注しました。さて、次の発注は…。

 

チラシの原案 広報担当 11月24日
 広報担当で考えているチラシの原案が届きました。考えた人の個性がよく出ています。見た人に「何だろう?」と思わせるくらい奇抜なデザインのものができそうな予感がします。期待が高まります。

 

班別活動 B班 12月1日
 この班は、レプリカ体験の準備、スタンプ作りなどが続いています。

 

指導者会議 12月5日
 概ねキットの目処が立ち、イベント(ワークショップ)に向けての準備が中心になる時期となりました。中間の反省会の意味で、指導者会議を開催し、意見交換をしました。今後に向けての指針になるような意見もあり、有意義でした。

 

チラシの原案検討 広報担当 12月6・13・15日
 チラシの原案を練っていく作業が続けられました。そして、ベースになる絵が完成しました。細部は、12月16日に全体で検討することになります。

 

文化庁月報12月号 特集「美術館・博物館の振興」
 この事業の紹介文が掲載されました。

 

第8回活動 12月16日
 久しぶりの全体会でした。キットの校正刷りなどを見ながら、各班ごとのイベント(ワークショップ)での活用の仕方や、必要人員などについて考えました。また、イベントタイトルは従来のボランティア企画を踏襲し、「博物館Vキング」とすることにして、サブタイトルをどうするかとか、チラシのデザイン(新キャラクター登場!)はどんなのがよいかなどと、細かい点も話しあいました。
 お正月休みが終わったら、広報やイベント当日の準備で忙しくなりそうです。
(左上)B班の説明の様子

(右上)福笑いの完成イメージ

(左下)チラシのベースになるデザイン。

 

印刷発注第2弾 12月18日
 チラシやキットの残りを発注しました。

 

班別活動 B班 1月5日
 新年最初に活動再開です。レプリカ体験の準備として、粘土模型の型取り作業をしました。

 

チラシ納品&イベント予告 1月10日
 イベントのチラシができあがりました。
 このイベントは、これまでにも紹介してきた、今回の事業での制作キットを活用し、子どもたちに楽しんでもらおうという企画です。お楽しみに!
 なお、印刷に回したキットについては、校正もほぼ終わり、制作の最終段階に入っています。
 
 
 

〜わくわく体験 オリジナルキットを作って遊ぼう!〜

●日時 2月11日(月/祝日) 9:30〜16:30(受付16:00まで)
●会場 徳島県立博物館 常設展示室
●参加無料
●内容
 ・どんな顔になるKASHIRA?…福笑いを作って遊びます
 ・徳島城へようこそ…徳島城の門をイメージしたポップアップ模型を作ります
 ・かたどって似たものさがし
    …展示資料をもとにした模型のレプリカ体験とオリジナル資料さがしをします
 ・スタンプで展示づくり…展示資料をイメージしたスタンプで展示室を作ります

 

班別活動 A班 1月13日
 イベントに向けての準備をしました。福笑いを制作したこのグループでは、キット自体を楽しんでもらうとともに、大型福笑いを用意して遊ぶという仕掛けも考えています。早々と当日のコーナー看板もできあがり、めでたく記念撮影となりました。
ただのパーティグッズではありません。ちゃんと福笑いに使う道具です。
大型福笑いを分担して制作中。
   
コーナー看板の制作中。
本日の作業終了!

 

第9回活動 1月20日
 みんなでいっせいにイベントのチラシの発送作業をしました。保育所や幼稚園、小学校などに届けられることになります。

 

班別活動 C班(のはずだった) 1月27日
 肝腎のC班のメンバーがそろわなかったのですが、前回から来てくれているボランティアと職員で準備を少々進めました。必要なものがだいぶそろってきました。

 

班別活動 B班 2月2日
 イベントで行う「かたどって似たものさがし」では、みんなで用意してきたシリコン型を使ったレプリカづくりがポイントです。スムーズにできるよう、みんなで予行演習に取り組みました。

 

テレビでPR 2月8日
 徳島の民放テレビ局からお誘いがあり、夕方の情報番組でイベントの紹介をさせていただきました。1分だけでしたが、学生ボランティア1名と学芸員2名が出演しました。

 

第10回活動(イベント前日準備) 2月10日
 いよいよ明日は、成果品であるキットを使ったイベント「博物館Vキング」です。Vキングとしては3年目になりますが、今回は学生を中心に据えたこと、キットの活用ということなど、これまでとは趣向の違う試みとなっています。
 きょうの午後、明日に向けての準備や来年度のボランティア活動についての相談などをしました。イベントのための臨時ボランティアの学生もたくさん来てくれて、とてもにぎやかでした。
 夕方には、職員も総動員で会場設営にあたり、準備が整いました。
 明日は大勢の方が参加してくれますように…。

 

第11回活動(イベント 博物館Vキング) 2月11日
 朝から夕方までイベントが行われました。予想以上に(?)、どのコーナーもにぎわって、1,300人余りの入場者を迎えました。親子連れを中心に、しっかり楽しんでいただけたと思います。いろいろ考えて作ったキットで盛り上がってもらえたことを、とてもうれしく思っています。
 学生中心といいつつも、老若男女混成となっているボランティアのみなさんは、それぞれの個性を活かして、ほんとうによく頑張っていました。夕方の後片づけまで、バタバタと忙しい一日でしたが、一丸となって取り組んできた活動が、実質的に終わりました。
玄関の看板
常設展入口のようす
徳島城へようこそ(ポップアップ模型)
どんな顏になるKASHIRA?(福笑い)
かたどって似たものさがし(資料模型のレプリカづくりと実物さがし)
スタンプで展示づくり

 

第12回活動(反省会) 2月23日
 今年度の活動の最終回です。ほぼ全員が集まり、お茶やお菓子をいただきながら、感想や意見を話しあいました。まとめていうなら、課題はあるものの、博物館にとっても、ボランティアにとっても満足度の高い活動ができたということになるでしょう。
 可能な方には、来年度も継続して活動していただくことになり、早速、次の取り組みを話し合う姿も見られました。
 キットという貴重な成果、今までにないVキングができたという実績をもって、活動を終えることになりました。
 

 

博物館Vキングがテレビに登場 3月2日
 徳島県の広報番組「オンリーワン徳島」(企画 徳島県、制作 四国放送)で、博物館Vキングの様子が紹介されました(「博物館で楽しもう」というタイトルです)。学生へのインタビューを交えて構成されており、うまくまとめてくれていました。

(追記)
 徳島県庁のホームページにある「インターネット放送局」で公開されています。ぜひご覧ください。→こちらへどうぞ

 

事業のまとめパンフレット
 報告書を作る余裕はありませんが、簡単でもいいから、みんなでやってきたことの証しとして、事業の記録をまとめておきたいと思い、パンフレット(6ページ)を作成しました。オフセット印刷ですが、なかなかの仕上がりです。

 

指導者会議 3月3日
 この会議も最終回です。すべての事業を終えて、成果と課題を話しあう機会としました。感想や意見を話しあいながら、「次」に向けてどう取り組んでいくかという、大きな課題を確認しました。

 

このページの更新は、これで終了します。
今回の事業の成果を大切にしながら、また新しい活動に向けて取り組んでいきたいと考えています。
がんばっていただいたボランティアのみなさんに、心からお礼申し上げます。

 


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