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文化の森の植物観察 目次

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あなたのところの柏餅はどっち?
 5月頃によく食べられるものに柏餅があります.その柏餅と呼んでいるのにいろいろな種類があるのに気が付いたことがありませんか? 徳島で柏餅と呼んでいるのは,丸いすべすべした葉で包んだ餅です.ところが,デパートや和菓子屋では,ざらざらしていて違う形をした葉で包んだ柏餅も売られています.
 植物図鑑でカシワを調べると,徳島で柏餅に使われているのとは違った植物がでてきます.カシワはブナ科のコナラに近いなかまです.一般に柏餅と呼ばれるのはこの葉で包んだもののことです.いっぽう,徳島で柏餅に使っているのはサルトリイバラというユリ科の植物で,サンキライとも呼ばれます.5月頃,近くの山に行けばたいてい生えている植物で,その若い丸い葉をつんできて,餅米の粉で作った団子をくるみ,蒸して柏餅にします.サルトリイバラには茎にトゲがあり,「バラ」の名がつきましたが,この葉で包んだ餅は「バラモチ」と呼ばれることもあるそうです.