博物館資料のとおり道【探険!! 博物館】
魚島純一
博物館がある三館棟の建物に向かって左側の隅に、ぽっかりと大きなロが開いています(図1)。ここは、職員の通用口であるとともに、資料の出入口でもあります。企画展などで博物館に運び込まれる資料の多くは、美術品専用車と呼ばれる美術品や博物館資料のみを専門に運ぶ特別なトラックで運び込まれます。あの大きな出入口はこのときトラックが入るための場所です。ここをトラックヤードと呼んでいます。
図1 三館棟の建物の左側にあるトラックヤード
トラックヤードを入ると、二重の大きなシャッターがあります。ふだんはこのシャッターは閉じていますが、その奥には荷解きのためのスペースがあります。荷解場から奥にはくん蒸室、写真撮影室、展示室、収蔵庫など博物館資料が移動するすべての部屋を結ぶ幅4メートル、高さ4メートルの巨大な廊下があります(図2)。博物館資料には、指の先ほどしかないたいへん小さなものから、恐竜の全身骨格標本のような巨大なものまでさまざまなものがあります。博物館に運び込まれるすべての資料に対応できるようにするため、このように巨大な廊下がつくられているのです。
図2 博物館の巨大な廊下
巨大な廊下とともに、博物館には巨大な工レベーターが用意されています(図3)。幅が3メートル、高さが3メートル、奥行きは4メートルもあり、3トンまでの重さのものを載せることができます。普通の小型乗用車ならすっぽりと入ってしまう大きさです。