加賀藩大名行列図屏風【表紙】
歴史担当 山川浩實
加賀藩前田家の参勤交代の行列を描いた八曲一双の屏風。石川県立歴史博物館所蔵。前田家は5代藩主綱紀(つなのり)以降、102万石を領地とした全国で最大の大名でした。参勤交代は、徳川幕府が大名統制のため、諸大名に対し江戸と国元との生活を1年交替とした制度で、これによって大名行列が一般化しました。前田家の参勤交代の規模は、大名随一の規模で、主藩直臣の家来である陪臣(ばいしん)を含めると行列の人数は、およそ2~4千人になったと言われています。
行列の人数は実際よりも少ないものの、藩主以下およそ450人が描かれています。行列は左隻の左下から始まり、右隻を経て、左隻の左上部で終わります。先頭は帚(ほうき)と塵取りを持った掃除人と、前方の通行人を追い払う先払(さきばらい)とで始まり、最後部は殿備(しんがりそなえ)で終わります。
写真は右隻の右半分で、ちょうど行列の中ほどの部分にあたります。鉄砲組や多数の家臣に守られ白馬にまたがる藩主が描かれています。