鳥居龍蔵の見たアジア
-鳥居龍蔵博士没後40年にあたり-
国立民族学博物館
異民族へのまざなし
東京大学出版会
天羽利夫
1870 (明治3)年、徳島市船場町に生まれた鳥居龍蔵は、考古学、人類学、民族学と幅広い分野について独学し、日本はもとよりアジア各地、さらに南米にまで調査に出かけた世界的な学者でした。今年は、鳥居博士が亡くなってからちょうど40年目にあたり、当館ではそれを記念した企画展をこの秋に開催します。国立民族学博物館や東京大学総合研究資料館ではすでに企画展が開催されていて、ここに紹介する2冊の本は、それら企画展の解説書です。
国立民族学博物館刊行の『鳥居龍蔵の見たアジア』は、鳥居博士の生い立ちから研究の足跡、アジア各地での調査内容、鳥居博士の撮影した貴重な記録写真や採集品などを紹介し、その人となりや業績を知るうえで、格好の本です。
東京大学出版会刊行の『異民族へのまざなし』は、「古写真にまぎれたモンゴ口イド」という副題のとおり、各地のモンゴ口イドを古写真で紹介しようというものです。この本lこは、鳥居博士がアジア各地で撮影した記録写真50枚が収められています。この写真は、東京大学総合研究資料館に保存され、話題を呼んでいる貴重なものです。