博物館ニューストップページ博物館ニュース014(1994年4月10日発行)Q.多くの動物では前後(頭としっぽ)の・・・(014号QandA)

Q.多くの動物では前後(頭としっぽ)の区別があります。どうしてでしょうか?【レファレンスQ&A】

動物担当 田辺力

A.一言でいうと、動物が動くことが原因です。なにかを見つけて食べようとすれば、目、口、耳、鼻などとそれに指令をだす脳を一つのところに集め、そこを前にして進むとべんりです。そうすると自然と頭のようなものができあがり、そこを前にして進むため、前後の区別ができます(図1)。

動物が動く理由の説明

いっぽう、じっとしている生物は前後の区別をもたず、かわりに放射状のかたちをしています。たとえばイソギンチャクは土からみると放射状です(図2)。魚などの獲物は、すべての方向からほぼ同じ確率でやってきますから、それらをつかまえるための触手もあらゆる方向にのびているわけです。同じことは花のかたちにもあてはまります(花は動きません)。花に集まる昆虫はあらゆる方向から同じ確率でやってきますから、昆虫にどの方向からみられても同じ効果があるように、花びらは放射状にならんでいるのです(図3)。

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