祖谷ーその自然とくらし【企画展】
祖谷地方には、多様な自然が残されています。高山には、本州の亜高山や北海道、ひいては周北極地方と共通するような、北方系の生物が分布しています。また、人々が主な生活領域としてきた空間は、東アジアの山地部と共通した気候帯となっていて、生物相も類似しています。
山の豊かな自然との関わりの中で生きてきた人々は、その自然を活かしながら、確かな生活の技術を築いてきました。祖谷地方に見られる生活の技術には、遠く中国の雲南やネパールなど東アジアの山地での生活と共通する文化要素が多くあります。それらは、日本の文化の基層を流れるものと共通するものでもあります。
今回の企画展は、このような祖谷に残された多彩な自然とくらしについて、ご紹介しようというものです。祖谷の自然や文化についての理解を深めていただき、剣山などでの山登り、かずら橋観光の際などに、想いをめぐらせていただければと思います。
雑穀運搬用の竹かご(ネパール、国立民族学博物館蔵)
ネパールのシコクビエ(阪本寧男氏撮影)
ミツマタ蒸し作業(俵裕氏撮影)
アイノミドリシジミ
●おもな展示内容
1. 高山の自然
◯ササ草原の植物、分布上特徴のある生物
2. ブナ林帯の自然とくらし
◯ブナ林帯の植物、昆虫、ほ乳類
◯シラクチカズラとかずら橋、木地師道具・製品、屋根ふき道具
3. ヤマの畑
◯ミツマタ関連道具、雑穀
4. 雑穀のきた道
◯ネパール、雲南の農耕関連資料、世界のシコクビエ
会期
平成6年7月26日(火)~9月4日(日)月曜日休館
観覧料
大人200円、高校大学生100円、小・中学生50円
記念講演会「照葉樹林帯の文化」
講師
佐々木高明氏(国立民族学博物館長)
日時
平成6年7月31日(日) 13:30~15:00
会場
21世紀館イベントホール
入場無料
どなたでも参加できます