研究紹介


中世の土器・陶磁器の研究

 考古学において中世といえば、一般に平安時代の終わりごろ(11世紀後半ごろ)~戦国時代末(16世紀後半ごろ)までを指します。また、14世紀中葉~後半に列島各地に点在した中世窯業地の大半が淘汰され、「六古窯(*1)」と呼ばれる主要な産地に限定されることから、ここを境目に、中世前期中世後期に分けることが多いです。

 このような時代の社会で使用された土器・陶磁器は、地域ごとに生産・消費された在地土器、陶器など特定産地から各地に運ばれた広域流通品、中国・東南アジアから輸入された貿易陶磁器の3種に大別できます。

 これら中世の土器・陶磁器が、「どのような形の変化を見せるのか」、「どんな人たちに使われていたのか」、「どうしてここまで運ばれてきたのか」などを研究しています。

(*1)六古窯は、瀬戸窯、常滑窯、越前窯、信楽窯、丹波窯、備前窯の6つの中世における大規模窯業地の総称です。

当館展示中の勝瑞城館跡出土の中世土器・陶磁器

当館展示中の勝瑞城館跡出土の中世土器・陶磁器(藍住町教育委員会蔵)