調査研究
徳島県の昆虫全般を扱っていますが、特に以下のテーマに力を入れて取り組んでいます。
徳島県の蛾類調査
蛾の幼虫の多くは生きた植物を食べており、特定の環境や気候、植物の分布に依存している種が多く知られています。徳島県には様々な環境や植生が発達していることから、それらを利用する蛾の種類も同じく多様であると考えられます。現在、徳島県の各地で蛾の採集を行い、その全貌の解明を進めています。
クロシオキシタバ Catocala kuangtungensis Mell, 1931:徳島県では、沿岸部などに発達するウバメガシの生えた照葉樹林に生息します。
徳島県の外来種昆虫の調査
人間の営みや移動、地球温暖化による気候の変化などに伴い、もともと徳島県にいなかった昆虫が移入し、生息地を拡大しています。それらの一部には、同じような生態の在来種と競合して本来の生息地から追いやったり、人間の生活に影響を与えたりする種もいるため、動向を追っていく必要があります。現在、徳島県ですでに確認されている外来種の分布状況の調査に加えて、今後移入する可能性のある外来種にも注意を払っています。
アカハネオンブバッタ Atractomorpha sinensis Bolívar, 1905:もともと南西諸島に分布しており、近畿地方などに移入した国内外来種。2020年に徳島県でも見つかり、生息地を拡大しています。
