博物館ニューストップページ博物館ニュース032(1998年9月15日発行)平成10年度第3回企画展「瀬戸内海のおいたち」(032号企画展)

瀬戸内海のおいたち【企画展】

本州と四国を隔てる瀬戸内海は、今から約1,800万年前に生まれた第一瀬戸内海がその始まりとされています。それ以降、瀬戸内地域一帯は一様な海だったわけではなく、熱帯性の海になったり、陸上の火山活動の場になったり、いろいろなゾウのすむ草原となったり、また海が侵入したりと、様々な変遷をくり返してきました。

平成10年春の明石海峡大橋の開通によって、徳島県が本州と道路によって結ばれたこの機会に、かつての瀬戸内地域にすんでいた生物の化石などから瀬戸内海のおいたちをたどることにより、本州と四国を隔て、あるいは結んできた瀬戸内海の地史的な意味あいについて考えてみます。

展示内容

(1) 瀬戸内海がなかったころ
明石海峡海底の岩盤とそこから見つかる化石から、瀬戸内海が生まれる前の様子を概観します。
(2)第一瀬戸内海の時代(1,850~1,400万年前)
第一瀬戸内海にすんでいた様々な生物の化石や、熱帯性の環境を示す証拠、周辺の陸上にすんでいたアネクテンスゾウやサイなどの化石を紹介します。
(3)瀬戸内火山岩類の時代(1,600~1,100万年前)
サヌ力イトに代表される、讃岐平野や二上山に分布する特徴的な火山岩を紹介します。
(4)第二瀬戸内海の時代(500~30万年前)
アケボノゾウやトウヨウゾウ、ゾウの足跡化石など、京阪神地域の丘陵をつくる鮮新世~更新世の地層から見つかる化石を紹介します。千里丘陵から発見されたマチ力ネウ二の化石も四国で初公開されます。
(5)第三瀬戸内海の時代(30万年前から現在まで)
瀬戸内海海底から見つかるナウマンゾウの化石から、氷期の瀬戸内地域の様子をさぐリます。また、大阪平野・広島平野・徳島平野の地下の貝化石から、縄文海進による沖積平野の形成過程をさぐります。

主な展示資料

瑞浪(みずなみ)層群の脊椎動物化石(瑞浪市化石博物館蔵)
備北層群ほか第一瀬戸内累層群の貝化石
讃岐平野の珪化木(香川県自然科学館蔵)
マチ力ネワニ全身骨格(大阪大学蔵)
明石産アケボノゾウ(大阪市立自然史博物館蔵)
石川河床のアケポノゾウ足跡(富田林市教育委員会蔵)
備讃瀬戸海底の化石(倉敷市立自然史博物館蔵)

会期

1998年10月10日→ 11月23日
月曜日休館(11 /23は開館)

観覧料

一般 200円(160円)/高校・大学生100円(80円)/小・中学生50円(40円)

( )内は20名以上の団体

関連行事

記念講演会

日時

10月18日(日) 13時30分~15時

演題

「日本が熱帯だったころ -第一瀬戸内海とその生物-」

講師

糸魚川淳二氏(名古屋大学名誉教授)

学芸員による展示解説

10月25日(日)14~15時(観覧料必要)
11月1日(日)14~15時(観覧料必要)

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