Q.シロマダラというヘビについて教えてください【レファレンスQandA】
動物担当 井藤大樹
図1 牟岐町出羽島じまで捕獲されたシロマダラ
シロマダラは、インターネットなどで、「幻まぼろしのヘビ」と紹介されることもあってか、毎年、「シロマダラを見つけたのだが、珍しいのだろうか」あるいは「シロマダラとはどのようなヘビなのか」といったご質問を何件かいただきます。そこで今回は、シロマダラについて簡単に紹介します。シロマダラは、全長30 ~ 70 cmほどで、体に黒と白のバンド模様が入るヘビです(図1)。このヘビはトカゲや他のヘビの仲間などの爬虫類(はちゅうるい)を食べます。よく目立つ模様をもつからか、初めてこのヘビを見た方は毒ヘビと思われることもあるようですが、無毒のヘビです。徳島県では、県南部から北部、西部まで広い範囲で生息が確認されています。また、離島の出羽島にも生息しています。夜間に動き回り、あまり人目につかないことから、捕獲されると新聞などで話題になることがありますが、徳島県ではあまり珍しいとは言えません。
シロマダラについてお問合せをいただく際に、徳島県に生息するヘビの中で毒をもつのはどのような種類かというご質問もいただくことがありますので、ここで合わせて紹介します。徳島県には、シロマダラ以外に、タカチホヘビ、シマヘビ、ジムグリ、アオダイショウ、ヒバカリ、ヤマカガシ、ニホンマムシが生息しています。この中で毒をもつのは、ヤマカガシとニホンマムシのみです。ヘビというと、気持ち悪い・怖いというイメージがある方が多いようです。ヤマカガシやニホンマムシは毒があり、咬まれると大変危険ですが、それ以外のヘビは、咬まれても痛いくらいで、大きな危険はありません(積極的に触るなどしなければ咬んでくることもありません)。タカチホヘビやヒバカリでは、咬まれたとしてもあまり痛くありません。もし、野外でシロマダラやその他の無毒のヘビを見かけることがあれば、そっと見守ってあげてください。当館の常設展で徳島県に生息するすべてのヘビ類を展示していますので(図2)、興味を持たれた方はぜひご来館ください。
図2 常設展示室内でヘビ類を紹介しているコーナー