ゴジラ(表紙)

歴史担当 長谷川賢二

日本を代表する特撮(とくさつ)映画キャラクターであるゴジラ。その誕生は1954年11月のことでした。ゴジラはもともと深海で生き延びていた約1億4000年万年前の恐竜でしたが、度重なる水爆実験によって眠りからさめ、水爆エネルギーを全身に充満させた巨大怪獣ゴジラとなって人類に襲いかかるのでした。

この年、太平洋ビキニ環礁(かんしょう)でアメリカが行った水爆実験により、地元住民や漁船が「死の灰」を浴びました。とくに大きな実験が行われた3月、日本のマグロ漁船第五福竜丸が被爆(ひばく)し、日本中に衝撃が走りました。アメリカ、ソ連の冷戦のもとでの核開発競争の生んだ悲劇でした。そして、ヒロシマ・ナガサキに続く、この3度目の核兵器による被爆をきっかけに原水爆禁止運動が高まります。ゴジラはこうした核開発と反核のうねりのなかで登場したのです。

企画展「世紀末大博覧会」(10月20日~11月26日)では、核に翻弄(ほんろう)された20世紀後半の世界の象徴としてゴジラ関係資料を展示します。

カテゴリー

ページトップに戻る