TOPICS チョウ標本が寄贈されました
徳島市内の眼科医、盛重知氏よりウスバアゲハのなかまの標本177頭が寄贈されました。このなかまは、アゲハチョウ料の一つのグループで、ヨーロッパから中国、ロシア、北アメリカ北西部などの寒い地方にすむチョウです。日本では北海道のウスバキアゲハガ育名ですが、四国にはウスバアゲハだけが、分布しています。
標本の説明をされる盛重知氏(左)
中国やインド北部、ネパール、ブータンなどには多くの種や亜種が知られていますが、これは厳しい生息環境における幼虫の食草の有無や成虫の移動力の弱さなどから、かなり狭い地域ごとに種や亜種への分化が進んでいるためです。そのため、このグループのチョウを各地域ごとに多くの種や亜種を集めるのは大変に苦労します。盛重知氏は以前からこのグループに興味を持たれ、かなり多くの種や亜種の標本を収集しておられましたが、家の改築を機会に、これらの貴重な標本すべてを博物館に寄贈して下さいました。博物館でもこれまでにいくらかの種や亜種の標本は購入していましたが、これほどまとまったコレクションはなく、このグループの標本としてはかなり充実したものになりました。今後、企画展やテーマ展示、調査研究などに有効に利用させていただくつもりです。
貴重な標本を快<御寄贈下さった盛重知氏に心から感謝いたします。
盛 重知 氏