博物館ニューストップページ博物館ニュース018(1995年4月10日発行)パーソナル電子植物図鑑を作ろう(018号情報ボックス)

情報ボックス パーソナル電子植物図鑑を作ろう【情報ボックス】

植物担当 小川誠

私たちは、野外に出かけると、観察記録を取り、写真を撮影します。そうしているうちにだんだん記録や写真がたまってきます。そういったものを活用し、パーソナル電子植物図鑑を作ってみましょう。

パーソナル電子植物図鑑

パーソナル電子植物図鑑

用意するもの

パーソナル電子植物図鑑の作成には、パソコン(ここではMacintoshシリーズ)、記憶装置(ハードディスク),データベースソフト(パノラマII)、画像取り込み装置(スキャナなど)が必要です。

データベースの作成

データベースは難しいと思っている方もおられるかもしれませんが、住所録を作るのと同じと考えてください。そして、最初から完璧なものを作ろうと考えずに、必要な項目だけで作ってみて、あとから必要に応じて項目を追加していきましょう。

まず、項目を設定し、それぞれの画面のレイアウトを設計します。ここでは植物名(和名)、科名、学名、花期、分布、観察地、特徴などの項目を作ります。後から項目を追加できますので、とりあえず表示したい項目と検索したい項目を設定しておきます。また、和名と科名、学名は関連した情報なので別のデーターベースファイルとして作っておき、ルックアツプを指定しておけば、和名を入れたらそれに対応する科名や学名が自動的に入力されます。パソコン通信のNIFTYなどの商用ネットにはこういった和名や科名、学名の情報がテキストファイル形式でアップロードされており、個人で利用することができます。

画像(写真)の取り込み

次に写真の画像を取り込みますが、最近ではいろいろな方法で画像の取り込みができます。プリントした写真はスキャナで読み込みます。スライドはフィルムスキャナで取り込むことが可能です。そういう画像入力装置が無くても、CD-ROMドライブがあればコダック社のPhotoCDでスライドをパソコンに取り込むことが可能です。スライドを写真店に持っていくと、CD-ROMに焼いてくれます。大量に写真を取り込んたり、印刷など他の目的に画像を利用したい場合にはPhoto CDが便利です。

画像取り込み装置を使って取り込んだ画像はファイル名に和名を付けて保存しておきます。画像形式はいろいろありますが、できるだけいろいろなソフトで扱える形式がよいでしょう。Macintoshの場合はPICT形式のフアイルに保存しておきます。PICT形式はほとんどのMacintosh上のソフトでサポートされており、JPEGという方式で圧縮することもできるので、ディスク容量の節約にもなります。

写真の表示

データベースで作成した画面上に画像を表示させる命令を入力します。この命令によって画面がめくられたら、植物の画像を自動的に表示します。ここでは剣山の植物というテーマで、剣山に生えている植物を集めてみました(写真)。画面をめくるとあたかも図鑑のようにきれいな写真が表示されます。検索や並べ替えも簡単です。いろいろなアイデイア次第で、オリジナルな図鑑を作ることができます。

今回は写真だけでしたがパノラマIIではQuickTimeという方式をサポートしているので、音声や動画も写真と同じように扱うこともできます。鳥の図鑑をつくり、鳥の鳴き声や映像を入れてみると楽しいでしょう。

ちょっと前までは、コンピュータで写真や動画を扱うのは大変なことでした。しかし、現在では当たり前のこととなり、将来は大量の情報をもっと簡単に扱うことができるようになるでしょう。

勘違いしてはいけませんが、こういって集められた情報は自然の一面をとらえたものでしかなく、こういったものを作ることによって自然のすべてを理解したとおもってはいけません。あくまでも自然が教料書なのです。

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