博物館ニューストップページ博物館ニュース029(1997年12月1日発行)速報!! 乾燥が進む諌早干潟(029号速報)

速報!! 乾燥が進む諌早干潟【速報】

地学担当 中尾賢一

長崎県諌早干潟(いさはやひがた)の干拓工事のことは、潮止めの実施直後(4月中旬)にマスコミでよく報道されたのでご存じの方が多いでしょう。それから半年以上たった現在では、報道も少なくなり、現状がどうなっているのかわかりにくくなっています。

 

図1陸から見た干潟

図1陸から見た干潟

全国的に見ても、諌早湾のような泥質(でいしつ)干潟(きめの細かい泥からなる干潟)は、この50年間で埋立や干拓などによリめっきり減ってしまい、それに伴って泥質干潟特有の生物も急激に数を減らしています。また、泥質干潟は“底なし沼”のような状態なので、特別な装備をしない限り中に入り込むことができません。このようなわけで、泥質干潟の生物相については、これまで充分な調査が行われていませんでした。ところが、度肉なことに工事によって諌早干潟が干上がった結果、普通の装備で調査が可能な状態になりました。

図2 力キ礁と、その上にはえはじめた植物。

図2 力キ礁と、その上にはえはじめた植物。

 

私は、おもに貝類の分布を調べるために、 9月下旬(潮止めから5か月あまりたった時点)に現地に行ってきました。ここでは、そのとき撮影した写真をもとにこの干潟の様子をご覧いただきましょう。

 

図3 死滅したハイガイ(絶滅寸前の二枚貝)

図3 死滅したハイガイ(絶滅寸前の二枚貝)

 

図4乾燥してひび割れた干潟の表面

図4乾燥してひび割れた干潟の表面

図5岸近くに生き残っているシオマネキ

図5岸近くに生き残っているシオマネキ

図6川の近くにいるムツゴロウ

図6川の近くにいるムツゴロウ

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