博物館ニューストップページ博物館ニュース029(1997年12月1日発行)兵庫県立人と自然の博物館(029号博物館紹介)

兵庫県立人と自然の博物館【博物館紹介】

普及係 木津正憲

兵庫県三田市に、平成4年10月に開館した「兵庫県立人と自然の博物館」があります。この博物館は、「神戸三田公園都市」(神戸市北部から三田市にひろがる21世紀を展望した新都市)の中のフラワータウンにあります。その街の中心部に「深田公園」があり、その中に公園と一体となった博物館としで親しまれています。

図1 工ントランスホール外観

図1 工ントランスホール外観

ここは、自然と生命の大切さ、快適な生活環境や地球規模の環境問題について広く考えさせられるだけでなく、「自然のしくみ」を知り、「人と自然のかかわり」について考え、「人と自然の共生」を探求する博物館をめざしています。

それでは、展示室の案内をします。常設展示室は、1.兵庫の自然誌、2.人と自然、3.新しい文化、4.生物の世界、5.地球、生命と大地という5つの主題から構成されています。「兵庫の自然誌」のコーナーでは、兵庫県の自然環境の情報や兵庫県南部地震の概要被害の分布、野島断層等を紹介しながら、人と自然のかかわりを語りかけてくれます。「人と自然」のコーナーでは、過去から現在まで、人と自然がどのようにかかわってきたかを明らかにし、その急速な変貌と私たちが今直面しているさまざまな環境問題を取り上げています。また、アースシアター(ビデオ上映室)では「地球規模の環境問題」として熱帯雨林の破壊、酸性雨、海洋活染等の問題を訴えてくれます。「新しい文化」のコーナーでは、これからの人と自然のかかわり方を提言してくれます。平均的な家族の1週間の暮らしをささえるモノやゴミのリサイクルについて、私たちの暮らしをもう度見直すことを提案しています。「生物の世界」のコーナーでは、生物の種・分布・生活について、標本展示や映像やコンピュータを使ったゲームを通して理解できるよう工夫されています。「地球、生命と大地」のコーナーでは、地球の構造と歴史、そこに住む動物植物の歴史と現在の姿を提示し、地球全般の解説をしてくれます。ブナ林のジオラマや熱帯雨林の樹木の板根やアメリ力マストドンやプレートテク卜二クスの映像展示など見どころいっぱいのコーナーです。

図2 5人家族の 1週間をささえるモノと ゴミ。

図2 5人家族の 1週間をささえるモノと ゴミ。

非常にたくさんの展示資料があり、じっくり見てまわると半日近くかかリます。ビデオやパソコンを有効に使い、楽しみながら理解できるよう工夫されています。常設展示室の他に、博物館の収蔵品や兵庫県の動物・植物の分布等の情報をビデオで見ることができる「情報センター」や、化石標本を直接手にとって観察したり、自然・環境等に関する図書が整備されている「レファレンスルーム」もあります。

この博物館は、日帰りでも往復可能な所です。ぜひ一度出かけてみてはどうでしょうか。そして、身近な自然がいま、私たちにとってどのような意味をもつのか、あらためて考え直してみませんか。

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