博物館ニューストップページ博物館ニュース062(2006年3月25日発行)博物館イベント企画運営スタッフ(ボランティア)の活動(065号ボランティア)

博物館イベント企画運営スタッフ(ボランティア)の活動

民俗担当 圧武憲子

博物館では、常設展示室の活性化に取り組んでいます。平成17年度はより新しい観点からの利用促進を図るための試案として、県民参加による常設展示室を使った企画事業をすすめることにしました。9月23日(秋分の日)と11月3日(文化の日)に常設展示室内でイベントを開催することを目標にして、博物館職員と一緒にイベントの企画運営を行うボランティアスタッフを募(つの)り、活動しました。以下その様子を報告します。

1 募集(3月から4月)

これまで、博物館ボランティアは友の会の会員にお願いすることがほとんどで、本格的な公募をするのは初めてのことでした。手さぐりの状態で、3月25日(金)に募集案内を配布し、応募の受け付けを開始しました。4月24日(日)の締め切り日までに、何とか13名からの応募が集まり、職員と一緒に、イベン卜の企画運営スタッフとしての活動を開始することになりました。

2 説明会(5月14日 土曜日)

応募くださったメンバーに、集合してもらい、顔合わせの会合を開きました。趣旨説明のあと互いに自己紹介をし、博物館の仕事についての紹介や館内の見学を行いました。また今後の予定を話し合わ、第1・3土曜日を定例の活動日としました。

図 1 説明会の様子

図 1 説明会の様子

3 ミーティング(6月、7月)

6月から、イベント開催に向けての実質的活動が始まりました。6月に行われた2回のミーテインタでは、どのようなイベン卜にしたいかなどの目標や、各々がやりたいと思うこと、できたらいいなと思うことを、自由に発言したり、紙に書き出したりしました。スタッフからは、次々と意見が飛び出し、出されたイベン卜の企画案は、全部で53案にもなりました。中には、職員が思いつかなかった奇抜(きばつ)なアイディアや、利用者の立場にたった気配りが含まれているものがたくさんありました。案が出尽くしたところで、ホワイトボードに貼(は)りだした全案の中から、皆で実現の可能性の高いものを選び、内容を7つにまとめました。その後、それぞれのパートの責任者を決めました。ボランティアスタッフは、自ら名乗りを挙げる人ばかりで、イベン卜開催に向けてよい雰囲気(ふんいき)となっていきました。
7月に入ると7つのパートそれぞれの、具体的な中身の検討作業をしました。責任者、それぞれが内容の骨組みを考え、必要な準備や人員配置を考え、皆でつめていきました。また、イベン卜当日の展示室内での会場配置も計画しました。9月23日に行うイベン卜名の総称と、実施するそれぞれのパート名が、7月23日(士)に決定しました。イベントの総称は、「博物館Vキング~ボランティアスタッフが贈る秋の博物館まつり~」。小学校低学年の子供たちにはやっている虫キングに、Volunteer (ボランティア)のVをひっかけました。実施するそれぞれのパート名は、「楽しい館(かん)☆ものしりクイズ」「和歌(うた)で詠(よ)む博物館」「木と葉で昆虫づくり」「変身!!古代ヘタイムスリップ」「食べてみませんか?古代の食事」「あなたも化石発掘名人」「海藻おしばをつくろう」となりました。

図 2 企画案をまとめる様子

図 2 企画案をまとめる様子

4 開催準備作業(8月)

8月は、スタッフ全員が集まるということはなく、それぞれのパートの責任者が、イベント開催に必要な準備を着々とすすめていくことになりました。個別に博物館に来たり、自宅で作業したりと、材料集めや実施に向けてのテスト、そして広報の準備などが地道に行われていきました。

5 ミーティングと合同準備(9月)

9月に入ると、それぞれのパートがどのようになっているのか内容の確認の話し合いが持たれました。そのほか、パンフレッ卜や会場に設置するパネルの原案、スタッフTシャツの原案が持ち寄られ、皆で、パネルの製作や、Tシャツ作りの作業もしました。また、古代米を炊く実験などを行いました。

6 会場準備(9月22日 木曜日)

目標としていた1回目のイベン卜開催日である9月23日前日の夕方、閉館後17時から、会場設置の準備を行いました。机やパネルを運んだり、飾り付けや必要な物品の配置などをしました。

7 第1回博物館Vキング開催(9月23日 秋分の日・金曜日)

いよいよ、第1回目のイベントが開催されました。ボランティアスタッフが案を出し、つくりあげた各パートいずれも盛況でした。当日の来館者は886名で、昨年度の同日より350名ほどの増となりました。ボランティアスタッフも「できた」と実感し、やりがいを感じたようでした。

図 3 9月23日「木と葉で昆虫づくり」の様子

図 3 9月23日「木と葉で昆虫づくり」の様子

8 ミーテイングと次回準備作業(10月)

1回目のイベン卜が終了した後、続いて2回目 のイベン卜開催に向けての準備が始められました。2回目のイベントは、11月3日に博物館が開催する文化の日フェスティバルに合流し、バージョンアップして行うこととなりました。1回目の経験をふまえて、10月中に、あらたな材料集めや道具の改良など、準備作業が行われました。

9 会場準備(11月2日 水曜日)

前回と同様に開催前日の夕方、会場準備が行われました。博物館が準備するスケッチ大会やクジラの標本のタッチコーナーとともに、さらに賑(にぎ)やかな会場となりそうでした。

10 文化の日フェスティバル(第2回博物館Vキング)(11月3日 文化の日・木曜日)

バージョンアップした第2回目の博物館Vキングが開催されました。今回は、「フルカラーLEDで貝のアクセサリーをつくろう」(阿南工業高等専門学校協賛)や「食べてみませんか?ドングリクッキー」「レプリカ作り」「拓本をとろう」などの新しいメニューが出され、前回以上の盛り上がりを見せました。この日の来場者数は、1,237人でした。皆、疲れながらも、目標としたイベントを充実した思いで終了することができました。

図 4 11月3日「拓本をとろう ]の様子

図 4 11月3日「拓本をとろう 」の様子

11 ミーティング(11月19日 土曜日)

無事イベントを終了し、最後に半年間のイベント企画運営スタッフの活動を振り返りました。ボランティアスタッフからは、「活動を通して博物館の活動をより深く知ることができた」ことや、「自分の特技を活かしたイベントを開催できて楽しめた」などの感想が出ました。また、今後の展示室の活性化の案のほか、博物館のボランティア活動のあり方などの意見もありました。

ボランティアスタッフとともに活動した職員にとっては、学ぶことの多い半年間でした。今後、この成果を継承-発展していくための取り組みを考えていきたいと思っています。

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