マチカネワニ全身骨格【表紙】

地学担当 両角芳郎

1964年、千里丘陵の一角にある大阪大学理学部の新校舎建設現場で、動物の肋骨(ろっこつ)の化石が発見されました。その後の発掘調査により、尾椎(びつい)を除くワニ一匹分の骨が見つかり、「日本にもワニがいた」と話題になりました。わが国での最初のワニ化石の発見でした。マチカネワニという名前は、化石が発見された豊中市待兼山(まちかねやま)の地名にちなんで命名されたものです。

化石が産出した地層は、Ma8と呼ばれる海成(かいせい)粘土層の直下の約40万年前の粘土層で、琵琶湖・淀川水系にすむ淡水性の貝の化石などもいっしょに産出しています。マチカネワニがすんでいたのは、ひとつの氷期が終わって温暖な気候になりかけたころで、まだ陸続きだった大陸の沿岸沿いに、南方系の生物であるワニが日本にも渡ってきてすみついたものと考えられます。

マチカネワニの化石は、10月10日から始まる企画展「瀬戸内海のおいたち」で、四国では初めて公開されます。

(大阪市立自然史博物館蔵の複製。原標本の所蔵者は大阪大学です。)

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