博物館ニューストップページ博物館ニュース028(1997年8月15日発行)平成9年度第3回企画展「ネアンデルタール人の復活」(028号企画展)

ネアンデルタール人の復活【企画展】

約500万年前にアフリ力で誕生した人類は、約150万年前の原人の段指にアフリ力大地溝帯を離れ、死海地溝帯をへてアジア・ヨーロッパヘ移住・拡散しました。そして、ついには現代人の直接の祖先となる新人(現代型ホモ・サピ工ンス)へと進化していきます。

しかし、新人へと進化する過程に関しては2つの仮説があり、論争が行われています。新人は、ユーラシア大陸各地に移住した原人(ホモ・工レクトス)から進化したのでしょうか。それともアフリ力で誕生した新人が再びユーラシア各地に移住し、先住の原人の子孫である旧人(ネアンデルタール人などの古代型ホモサピ工ンス)と入れ替わったのでしょうか。

今回の企画展は、デデリエ洞窟発掘日本シリア合同調査隊によって発掘された幼児の全身骨格が、学際的共同研究によって復元される過程を紹介しながら、ネアンデルタール人の実録に迫り、ネアンデルタール人と現代人の関係を新しい視点からとらえ直そうとするものです。

 

図 1 埋葬状態で克つかった ネアンデルタール幼児の骨格 (赤津威氏提供)

図 1 埋葬状態で克つかったネアンデルタール幼児の骨格(赤津威氏提供)

なお、この企画展は、東京大学総合研究博物館において平成7年に開催された展示会の内容を基本にして構成されるものです。

主な展示内容

(1)デデリエ洞窟とネアンデルタール幼児

シリアのデデリ工洞窟発掘の様子や、発掘された2歳のネアンデルタール人の子供の化石、その他の遺物を紹介します。

(2)人類の誕生と進化、移住・拡散

アウストラロピテクスからホモ・サピエンスまでの人類の進化、移住と拡散につ いて、系統樹・頭骨レプリ力・石器などにより概観します。

(3)ネアンデルタール人とは

様々な復元図などから、ネアンデルタール人がどのように見られてきたか紹介します。

(4)デデリ工・ネアンデルタール幼児の復活

ハイテクを駆使した科学的方法でネアンデルタール人の幼児を復元した過程を紹介するとともに、新しいネアンデルタール人像をビデオ映像などを支えて紹介します。

図 2 完成した生体 学的方法でネアンデルタ 復元像 (赤津 威氏 Jレ人の幼児を復元した 提供)。

図 2 完成した生体学復元像 (赤津 威氏 提供)

主催

徳島県立博物館・ジャパン通信情報センター

企画監修

東京大学総合研究博物館

会期

平成9年9月20日(土)~10月26日(日) 月曜日休館

会場

当館企画展示室

観覧料

大人 200円/高校・大学生 100円/小・中学生 50円(20名以上の団体は2割引)

企画展関連行事

企画展記念講演会

日時

10月12日(日)13:30~15:00

講師

馬場悠男氏(国立科学博物館人類研究部長)

演題

「私たちはアフリ力で生まれ、そしてアジアで育った」

会場

21世紀館イベントホール(入場無料)

学芸員による展示解説

日時

10月19日(日)14:00~15:00

会場

当館企画展示室(企画展観覧料必要)

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