ルウンペ(加藤町子作/財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構所蔵)【表紙】

ルウンペは、かつてアイヌの人たちが、本州との交易や漁場などで働いて手に入れるようになった木綿の古裂(これつ)で作り出した衣服の一つです。木綿の古裂をつなぎ合わせて、その上に、絹・サラサ・メリンス・木綿などの色物の古裂を細かく切ったものを切伏している、極めて手のこんだ衣服です。それぞれにアイヌ民族のすばらしい文様がつけられています。

写真の資料は、国立スコットランド博物館に収められているかつてのルウンペを、現在、アイヌ工芸作家として活動している加藤町子氏が、忠実に複製したものです。「古い衣服にこだわりを持っている心の伝承、製作に対する努力、生きることの意味、アイヌであることの誇りを感じとることのできる作品」として、アイヌの人たちから推薦(すいせん) された資料の一つです。

なお、この作品は、企画展「アイヌからのメッセージ―ものづくりと心―」(p.4~5参照)で展示されます

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